おてつたび、シリーズAで2億円調達 KDDI・ANAと地域連携強化へ

  • 2025年4月30日

 人材マッチングサービスを展開する「おてつたび」は、シリーズAラウンドのファーストクローズで総額2億円の資金調達を実施した。KDDIやANAホールディングスとは協業も推進し、地域活性化を軸とした新たな人の流れと都市・地方の関係性構築に向けたエコシステムの形成を進める。

 KDDIは自治体ネットワークを活用した事業者開拓を支援し、ANAは航空ネットワークと顧客基盤を生かして二地域居住などの新たな人の流れをつくるパートナーとして協業を進める。また、元マクアケ取締役CTOである生内洋平氏がプロダクト戦略顧問に就任し、サービスの機能強化と市場拡大を担う体制を整えた。

 おてつたびは、「旅」と「短期アルバイト」を組み合わせたサービスで、地域の人手不足と旅行者の体験ニーズを同時に満たす仕組みを提供する。旅行者は報酬を得ながら旅ができ、地域事業者にとっては即戦力となる人材を柔軟に確保できる。登録者は7万人を超え、受け入れ先は全国1900箇所以上に拡大。Z世代を中心に、近年はセカンドキャリア層からの関心も高まっている。

 デジタルプラットフォームの進化とともに拡大するスポットワーク市場において、おてつたびは「旅版」として独自の立ち位置を確立。訪日外国人観光客の増加により地方観光事業者の人手不足が一層深刻化する中、柔軟で短期的な労働力の確保手段としてのニーズも高まっている。

 同社は今後、都市と地方の新たな関係性を築く循環型エコシステムの構築を目指し、資金調達を通じてプロダクト開発や人材採用を強化する。地方創生のロールモデルとして、全国の地域と連携しながら事業成長を追求していく考えだ。