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事業譲渡から1年、M&Aの意図とギャランツアー、Rikishaなど各事業の今後の展望は?ーTSD代表 深田健史氏

  • 2024年5月24日

 昨年2月のエフネス社からじげんグループへの事業譲渡から約1年。同グループ内には、ホテル予約手配の「APPLE WORLD(アップルワールド)」も参画しており主にB2B領域で旅行会社向けの広範なソリューションを提供しているが、新たに譲渡された4事業を運営するティ・エス・ディ(TSD)代表の深田健史氏と、エフネス社からTSDへと転籍し取締役を務める森本高史氏の両名に、M&Aの意図や今後の事業展開などについて伺った。

TSD
深田健史氏
-まず最初に自己紹介をお願いできますでしょうか。

深田健史氏(以下敬称略) 20代の頃は、ドイツのSAP社などコンサルティング会社に務めておりましたが、2007年のKPMG FAS社への転職を機に日本へ帰国。その後、ゲーム会社のネクソンを経て、2012年にDeNAトラベルへ入社し、海外事業の立ち上げやLCCの仕入れなどを経験しました、以降現在まで旅行業に携わっています。

 現在代表を務めるアップルワールドへは、DeNAトラベルが売却されることになった2018年に入社し、2021年から代表に就任し、現在TSDの代表を兼任しております。

-M&Aの意図、狙いをお聞かせください。

深田 オフライン旅行会社とオンライン(OTA)の両方で構成されるこの業界の中で、オフラインの中堅旅行会社を支えられるパートナーが市場では求められていました。

 しかし、そのパートナーとなり得る企業はそれぞれバラバラ、且つ競争を行っている状況では未来はないと感じており、業界を支える大きなパートナーとなるためには一緒になる必要がありました。

-M&Aから約1年。業績はいかがですか?

深田 海外旅行を中心にマーケットの回復は想定より遅かった中で、今回のM&A含めた競争から協業へシフトすることで業績は比較的堅調に伸びており、一部事業では19年の取扱高を既に超えています。

-上場企業であるじげんグループへの参画、アップルワールドとの協業の中で成果やメリットは感じておりますでしょうか?

深田 具体的な成果は、まだまだこれから。この1年間は主にカルチャー面の融合と急増する需要への対応に追われました。そういった意味では、今期からグループ全体のリソースを活用した取り組みが開始できると考えています。

-エフネスから転籍された森本さんのご意見はいかがでしょうか?

森本高史氏(以下敬称略) やはり新しい組織、環境に順応していくことが非常に大変でした。どうにか全体としてエンゲージメントを高めていこうとする中で、以前の感覚のまま、それぞれ意識がバラバラになってしまうことが当初は多かったように思います。

 ただ、ギャランツアーやリキシャなどの各ブランドはそのまま引き継がれたことで、取引先へのサービス提供の部分は大きな問題はなく対応ができました。

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