理想の職場!働く意義を持ち続けられる場所-縁多 日比野元哉氏
少し話がそれてしまいますが、30年ほど前に私が初めて勤めたのが外資系のリゾートホテルでした。当時は日本国内には1箇所だけでしたが、世界に百数箇所点在するリゾートホテル。世界各国から集まったスタッフは、お客様が滞在するホテル内の一室で生活をします。食事は3食全てお客様と一緒のテーブルでいただくのですが、お客様との会話を楽しみながら食事をすることも仕事の一環です。朝起きて部屋を出た瞬間に、お客様に「おはようございます」と会話が始まり、夜部屋に戻るまで仕事時間ということです。当時は、ほぼ休み無く6ヶ月間そのリゾートで過ごすのですが、報酬も日本円で10万も貰っていなかったぐらいです。
ここまで聞くと、どんな過酷な環境で仕事をしていたのか?と感じられると思いますが、実は今振り返ってもあの時ほど楽しい時間はなかったと、私にとってはかけがえの無い時間でした。いまだに当時の仲間と会って思い出話しをしていますが、皆声を揃えて「楽しかった」と言います。毎日「今日はどうやってお客様を楽しませよう」とワクワクしながら過ごしていた記憶が蘇ってきます。
当時は、会社のビジョンなどは聞いたこともなく考えたこともなかったのですが、風土としてスタッフが同じ方向を見て毎日を過ごし、とにかく目の前のお客様に楽しんで帰っていただくことだけを考え過ごしていたように感じます。付け加えると自分自身が1日1日をどう楽しむか?ということしか考えていなかったかなー
一見過酷な職場環境ではありますが、どれだけ楽しい時間であるかが、継続的に働くという意思を持続させてくれるかということを、私自身の過去の経験からお伝えしたかったのですが、同じ目標を持って切磋琢磨して、「ワクワク」楽しみながら毎日を過ごす環境づくりが、今、最も求められる職場環境なのでは無いかとつくづく感じています。