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【リクエストインタビューvol.3】ホテル業界のデータ可視化と活用に新発想で切り込む-OTAインサイト 矢崎達則氏

  • 2022年10月20日

人間の“脳力”を最大化するためのデータインテリジェンス

 読者諸氏の「あの人の話を聞きたい」を実現するリクエストインタビュー。第3回は、ホテル業界向けにクラウド型のデータインテリジェンスプラットフォームを提供するOTAインサイトのアジア・オセアニア地区リージョナルセールスマネージャーを務める矢崎達則氏に話を聞いた。同社はデータのみを軸に判断を下すAIに全てを任せるのではなく、AI技術は活用しつつも、データ+柔軟な状況判断ができる人間が本来持つ”脳力”の最大化を図るデータインテリジェンスを目指している。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

矢崎氏。インタビューはオンラインで実施した

-はじめに自己紹介をお願いいたします。

矢崎達則氏(以下敬称略) 生まれも育ちも茨城で、東京の大学を卒業後、新卒でクラブツーリズムに入社し、主に日本からヨーロッパへの旅行商品の企画・造成を担当しました。同社を6年で辞めてリュック1つで世界放浪旅行に出かけ、1年半後に帰国し兵庫のホテル・ラ・スイート神戸ハーバーランドに入社。フロントオフィスマネージャーを経てブランディング担当兼マーケティング担当兼PR担当のような仕事を任されました。4年間在籍しブッキングドットコムに転職。大阪事務所の営業担当として新規ホテル開拓と既存ホテルのパフォーマンス向上のお手伝いをしました。そして2019年11月にOTAインサイトの日本地区リージョナルマネージャーに就任しました。日本にはまだオフィスがないのでシンガポールのAPAC(アジア太平洋)チームに所属する形ですが、大阪に駐在して仕事をしています。

-矢崎さんのタスクは日本におけるホテル開拓ですか。

矢崎 KPIとしては、それがほぼすべてです。しかし実際には英語圏向けに開発されたプロダクトを日本向けにローカライズしたり、日本独自のコンテンツを用意するなど、かなり幅広く仕事をしています。例えばカスタマーサービスやマーケティング、広報PRなど何でもやっており、海外ホテル情報の和訳を行うこともあります。当初は私1人だった日本担当も現在は日本人が2人加わり、日本のホテルからの問い合わせにもシンガポールの日本人担当者が対応できるようになりました。

-ホテル業界を対象にデータソリューションを提供する企業は少なくありませんが、OTAインサイトのサービスが他と異なる部分は何ですか。

矢崎 特徴は3つ。スピード、クオリティ、コストパフォーマンスです。もちろんホテルによってビジネスの方向性が異なりますから、OTAインサイトのサービスとの相性によって違いはありますが、方向性が合えばこの3点に関しては格段に優れています。それを証明するのが導入企業の顔ぶれで、現在マリオット、ヒルトン、IHG、アコーといった世界トップのグローバルチェーンが使用しています。ほかにも、日本では20を超える国内チェーンホテルやマネジメント会社から、たとえばニセコや白馬のシャレーやバケーションレンタルなども導入しており、幅広い宿泊施設が使っているのも特徴です。

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