法律豆知識(115)、航空会社とのトラブル−なぜ日本人の訴訟が少ないのか
<はじめに> 私の属する国際旅行法学会(IFTTA)の会議では、ヨーロッパやアメリカからの参加者が豊富な判例を紹介しながら議論する。しかし、日本人の私はそれが全くできない。紹介すべき判例が極に少ないからだ。例えば、本コーナーの第113回で説明した「フライトの遅延」は、判例集に1例も載っていない。他方、欧米には、この分野の判例は豊富だ。本コーナーの第100回や第101回で、ハンガリーの先生が紹介してくれたケースを掲載したが、このような判例はヨーロッパにはいくらでもある。なぜ、このような極端な差...