法律豆知識、航空私法入門(4) フライトの遅延と手荷物の損壊

<フライトの遅延による旅客の損害> 航空機の運航には、遅延(delay)が付いてまわるものだ。しかし、航空機の遅延については、「泣き寝入り」と思いこむことが多いと聞き及んでいるが、必ずしもそうではない。天候や、テロ、戦乱など、航空会社としては取りうるべき範疇外の場合もあるが、整備ミスによる遅延などは、航空会社が責任をとるべきである。遅延については、ワルソー条約時代から、航空会社が原則として責任を負うという過失推定主義がとられていた。モントリオール条約でも、過失推定主義が踏襲されている。同条約...