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ハワイの自然や文化に思いやりの心を-「マラマハワイ」プログラムを体験

  • 2022年7月22日

 ハワイ州観光局(HTJ)が3年ぶりに開催したジャパンサミットでは、参加した旅行会社にハワイが今どれだけSDGsやマラマハワイの取り組みが進んでいるのか、またどのようなプログラムがあるのかを実際に体験してもらうファムツアーを実施した。これは将来的に商品を造成するヒントにしたり、教育旅行やCSRといった観点でも貴重な体験だ。

 HTJの大きなスローガンのひとつである「マラマハワイ」だが、このマラマはハワイの言葉で「思いやりの心」という意味。何十年、何百年後もハワイが持つ素晴らしい伝統文化や美しい自然環境を守っていくために現地ではさまざまな活動がおこなわれている。

タロファームの雑草取りは「マラマハワイ」を体感できるプログラムのひとつ

雑草が生い茂る場所を開拓、タロファームへと変貌

 ハワイアンの人たちの主食でもあった大切な食べ物のひとつであるタロ。タロは消化が良くて栄養価も高いので、ベビーフードとしてもよく利用されていて、ハワイではとても重要な植物でもある。成長にはきれいな水をたっぷり使う必要のあるタロの栽培は、現在でも古代ハワイアンより伝わる方法で栽培されている。

 朝早くワイキキシェラトンのバスターミナルに集結しカネオヘを目指した。この2年ほどバスターミナルはひっそりとしていて、ワイキキのトロリーバスも一時期は1台も走らないほどだったが、最近は少し復活の兆しが見えてきている。ワイキキからフリーウェイに乗り、H3の高速を走らせて40分ほどで到着。このH3は、ホノルルで一番最後にできた高速道路で、できた直後に一度だけこの道路で、地元の人に向けたマラソン大会を実施したという。トンネルを抜け見渡す景色は、今までのホノルルとは全く違った光景が広がった。

シェラトンホテルの横にあるバスターミナル。まだ閑散とした雰囲気

 到着したエリアは、タロファームが点在しており、NPO団体パパハナクアオラが運営している。実は2006年まではこの地域は雑草が茂っていて、人がとても入れない状況だったものを、同NPO団体の人たちがタロファームへと開墾した。現在、このエリアはカメハメハ・スクールなどが所有しており、63エーカー(約25万4900平方メートル)もの広大さで、周りはコオラウの山々で囲まれ、山を削り切りとったような景観で、ホノルルとは全く違う姿である。

カネオヘの山々を見ながらタロファームへ向かう

 このエリアの山や水についての説明を受けながら、タロファームの雑草とりに向かった。タロファームへ足を入れると思ったより冷たく、足場はかなり緩くなっているので注意が必要だ。同NPO団体の共同創業者のリチャード・バルオーザ氏は「地元の人や訪問者がこの場所に来て、きれいにして、来た時よりも良くすることは、とても意味のあること。また侵入種を取り除いたり、タロを植えるのを手伝ったりするだけでなく、ハワイの持続可能な農業が実際にどのようなことであるかを本格的に体験することができれば、それは多くの人々にとって人生を変えるような出来事になる」と話す。

タロファームの隣にある小川。ここでも雑草取りおこなった

 さらにNPO団体のスタッフは「現地のコミュニティの人たち、またボランティアなどと、この場所をさらに活性化していきたい」と述べており、現地の3年生から6年生を対象にサマースクールも開催している。