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「全国旅行支援」と訪日旅行再開で地域の活性化を目指す、和田長官

 観光庁長官の和田浩一氏は6月17日の定例会見で、同日に発表された「全国旅行支援」や訪日観光客の受け入れについて、専門誌の質問に答えた。

 観光庁は17日、7月前半から全国を対象とした観光需要喚起策「全国旅行支援」を実施することを発表した。これに伴い、6月30日までを予定していた「県民割」は対象期間を7月14日宿泊分まで延長して終了し、「全国旅行支援」に切り替える。ただし、「県民割」を想定して造成された旅行商品や予約済みの旅行商品に関しては、経過的な措置を取る可能性もあるという。「全国旅行支援」の具体的な開始時期や運用の詳細については、6月中の感染状況を踏まえて発表する。

 Go Toトラベル事業ではなく「全国旅行支援」という新たな制度とした理由について、和田氏は、「新規感染者数は全国的に減少傾向にあるものの、地域差がある。Go Toトラベル事業は基本的に全国一律の実施となるため、地域観光事業支援の仕組みを活かし、全国旅行支援のための措置を実施することとした」と説明。公共交通を利用する旅行商品の割引き上限額を引き上げ、地方の観光の活性化を図る考えだ。一方でGo Toトラベル事業については、「感染状況が全国的に落ち着き、旅行需要がその時点でも落ち込んでいるようであれば、Go Toトラベル事業の再開も臨機応変に考えていく」という。

 また、6月10日から再開された訪日観光客の受け入れについては、6月中に約300人、7月以降に1000人近くの入国申請が行われていることを明らかにした。6月15日には受け入れ再開後初の観光目的での入国があった。

 訪日観光客の受け入れにあたっては、日本と海外の感染症対策への考え方の違いに懸念が寄せられていたが、先ごろ実施された訪日観光実証ツアーでは「総じて日本ではマスク着用が必要なのだという認識をもっていただけていた」(和田氏)という。一方で、入浴時にもマスクをつけていたなど、マスクを外しても良い場面が分かりづらいという声もあったことから、イラストを用いたリーフレットも作成した。実証ツアーの参加者からは、アウトドア体験や、文化、伝統、食に関する体験など、地方における体験型ツアーが好評だったという。

 訪日市場については、近距離旅行ほど再開が早く、訪日経験者の方が訪日旅行再開に積極的だと想定しているといい、東南アジアや水際措置の緩和が先行している欧米豪の需要に注目。今後観光庁としては、入国が可能となった国や地域を中心に、回復に向けたプロモーションを実施していく考えだ。