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サービスを科学して再現性を高めたい―ESTINATE HOTEL那覇マネージャー 濱田佳菜氏

  • 2022年5月18日

ホテルの「心地よさ」を生み出すものとは
業界の労働環境の改善は現世代の責任で

 長々と伸びたカウンターに、フロント機能とバーカウンターの役割、さらにオープンキッチンのしつらえも兼ね備えたユニークな空間がホテルの顔となっているESTINATE HOTEL 那覇。ライフスタイルホテルを標榜するこの新感覚ホテルを率いるのが30代の若手マネージャー、濱田佳菜氏だ。その目指すところを聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

濱田氏

-はじめにホテルの概要を説明してください。

濱田佳菜氏(以下敬称略) 那覇市の中心部、松山の国道58号線沿いに、2015年8月に開業。当時、デザイナーズホテルをうたったホテルはESTINATE HOTEL が沖縄で初めてだったはずです。ホテルは所有もブランドもオペレーションも経営もすべてグローバルエージェンツが行っています。

 ホテル名は、旅の目的地になりたい、そこへ行って泊まりたいと思ってもらえる場所を目指す思いを込めて、「目的地(Destination)」から発案した造語です。不完全な旅、先が見えない旅を体験するからこそ見えてくるという発想で、頭文字のDを外したESTINATIONという造語を作り、それを動詞風に変換してESTINATEとしました。

 ホテルの特色はライフスタイルホテルであり、コミュニケーションを促すつくりやコンセプトになっている点です。ゲスト、スタッフ、ローカルを含む多くの人々の交流とコミュニケーションを引き出すホテルという意味で、例えば長い1つのカウンターにフロントデスク、バーカウンター、オープンキッチンの3つの機能と顔を持たせた造りを採用しました。現在はコロナ禍もあってパーテーションで仕切っていますが、以前はチェックイン、チェックアウトの作業の隣でバーのお酒を楽しむ方がいる空間が存在していました。こうした特色ある空間がもたらすリラックス感やスタッフが作り出す空気感、心地よさを大切にしていきたいと考えています。

-濱田マネージャーの自己紹介もお願いします。

濱田 大学を卒業して「ホテル ザ・マンハッタン」に入社、その後も国内外のホテルや観光業界で働いてきました。ホテルやソーシャルアパートメントなどを手掛けるグローバルエージェンツに入社したのが2014年。当時はまだホテルの計画は公表されていませんでしたが、まずは既に運営していたソーシャルアパートメントの営業担当として働き、いずれはホテルに関わることも予想しつつ入社しました。

 その後、ESTINATE HOTEL 那覇のプロジェクトの立ち上げメンバーに加わり、開業準備を進めました。ホテルの建物は築30年を超える物件をリノベーションしたもので、改築の方向性や細かい作りにもこだわりました。沖縄の素材を取り入れながら意匠にも工夫を重ね、心地よさと快適性の中にユニークさも取り入れたホテルにできたと感じています。

 沖縄の仕事をしながら、2019年には福岡で開業したライフスタイルホテル「THE LIVELY 福岡」の総支配人を兼任し、運営を軌道に乗せる経験も積めました。

-ホテル作りにおいて特に意識している点は何ですか。

濱田 似たような人材を集めないことです。色々な背景があって様々な考えを持った人材が集まるホテルを作ろうと意識しています。組織運営の観点では似たような人材を揃えた方が簡単かもしれませんが、それでも違った考えを持つ人材が集まって力を出し合い、一致団結できたときの力の大きさを信じているので、あえて困難にチャレンジしています。

 私は好き嫌いがはっきりして思ったことをすぐに口にするタイプですが、スタッフには私と違って思慮深い者もいてくれますし、皆がそれぞれ違うことを意識し合って理解してつながるから強くなれるはずです。食べることと人と話すことが好きでありさえすれば、誰でもやっていけるのがこのホテルの特徴です。

 スタッフは現在35人いますが、仕事をしているだけでは意外と話す機会がありません。コミュニケーションは取ろうとしなければ取れないもの。だから新しいスタッフが入ると、まずはホテルの仕事を見てください、感じてくださいと指示し、その上で感じたことを話してもらいます。

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