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【ホテル総支配人リレーインタビュー】第14回 HOTEL THE MITSUI KYOTO 総支配人 楠井学氏

  • 2022年5月10日

開業1年半でフォーブス5ツ星を獲得
目指すリラックス・ラグジュアリーとは

-富士スピードウェイホテルの吉川源太総支配人からの質問です。
コロナ禍における対人コミュニケーションについて教えてください。コロナ下での開業準備は、面接や営業もリモートにせざるを得ないことがあり、難しさを感じています。コロナ禍中に開業したHOTEL THE MITSUI KYOTOでも同様のご苦労があったと思いますが、コミュニケーションに関する問題解消のための対応策や工夫について教えてください。また、これまでにも多くの取材を受けておられますが、まだ言えていないことがあればお話しください。

楠井 ホテルの方向性や総支配人としてのメッセージを伝えるにはどうしたらよいのか、考えに考えて取り組んでいるつもりです。開業前は時間の余裕があったので、従業員1人1人に電話をするなどパーソナルなコミュニケーションを密に行ってきました。開業後は忙しくなり、コロナ禍で全員が集まることも難しいので、あれこれ工夫してみました。たとえば動画の活用です。毎月、従業員向けの動画を作り、その中で直近のホテルの状況やその時々の方針、各部署の活動内容などをまとめて全員に見てもらうようにしました。従業員食堂でもその動画を流しています。

 動画は全体で約10分間。そのうち私からのメッセージは3分以内で、それ以外は各部署からのプレゼンです。たとえば客室に用意しているアメニティの内容について客室部門からプレゼンするといった具合です。毎月動画を作るのは大変なのですが、幸い動画作りが好きで作業に精通した有能なスタッフがいてくれるので助かっています。

-従業員全員が同じ方向を向くことは非常に大切なことですね。

楠井 フォーブスの5ツ星獲得というニュースが飛び込んできた際も、従業員とパートナー会社の皆さんを含む全関係者が大変喜んでくれたのも、全員が同じ方向を向き努力してきたからこそです。

 動画を通じたコミュニケーションだけでなく、対面のコミュニケーションの機会も用意しています。2週間に1回は若いスタッフを5、6人ずつ集めて話をしています。何か改善すべき点や提案があれば率直に言ってもらうためです。リラックスできる雰囲気づくりのため、パティシエに用意してもらったケーキとコーヒーを楽しみながら話すのですが、いまの若者たちは臆することなく意見を出してくれます。ここで出た提案や意見は、1回は必ず受け入れて試すようにしています。試してみて上手くいかなければ止めますが、それでも若いスタッフにとっては自分の意見がちゃんと届いた実感が持て、モチベーションも高まると思うからです。

-最後にバトンを渡される方のご紹介と、楠井様からその方へのご質問をお願いいたします。

楠井 ヒルトン沖縄北谷リゾートとダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾートの両ホテルの総支配人を務める宍倉裕氏にバトンを渡したいと思います。宍倉総支配人は、これまで東京や浦安、名古屋、沖縄といろいろな都市で働かれてきましたが、そのご経験が今年3月に就任したヒルトン沖縄北谷リゾートとダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾートでの仕事にどのように役立っているか。それを伺いたいと思います。

-ありがとうございました。