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アメリカの「今」を駐在員の視点からー続くインフレ、ラスベガスの生活の今

  • 2022年3月22日

 パンデミックが始まり早2年が経ちました。100年に一度とも言われる災難に見舞われ、一時は職も失いましたが、幸いなことに現時点ではコロナには罹らずに生活できています。

 2月にラスベガス観光局が発表した2021年の観光客数は約3220万人と、2019年の約4000万人には及ばないものの、2020年に比べ大幅な回復となりました。一方、パンデミック以前は展示会への参加者が約3分の1を占めていましたが、2021年は約220万人しかおらず、今年の課題となっています。また、ホテルの稼働率は2019年は約89%、2020年は約42%、2021年は約67%と回復へ向かっています。2月10日には屋内でのマスク着用義務も解除され、ほぼコロナ以前と同じ雰囲気に戻ってきています。

要るもの、要らないもの。

 20年くらい前でしたでしょうか、「笑う犬の生活」というテレビ番組を毎週見ていました。箱2つに、要るもの、要らないものを分けて入れていくコーナーがありましたが、このコロナ騒ぎが始まってからはとにかく節約の日々でした。このレポートでは我が家にとって要るもの、要らないものと併せて、現在のアメリカでのインフレ状況をご紹介していきます。

紙製品

 2020年の春、トイレットペーパーや掃除用具(特に洗剤を含んだペーパーワイプ)などがスーパーの棚から消え、人々は店から店へと渡り歩き、行列に耐えて購入、そのうちに1家庭につき1つ、2つと購入数が制限されるまでになりました。悲しいことに、トイレットペーパーの奪い合いから殺人に至ってしまったという事件もありました。この制限は一旦落ち着きましたが、デルタ株の登場で同じような状況になったこともありました。

 まず、トイレットペーパーやペーパータオルは要るもの。ただし、柔らかでふかふかの値段の高いメーカーものはやめ、12ロールで安価なもの約4ドル(数ヶ月前は3ドル程度でした)をスーパーや薬局で値段を確認して購入するようになりました。

ペット用品

 我が家には猫が3匹いるので、ウェットフード、ドライフード、トイレの砂は欠かせません。1ヶ月あたりウェットフード32缶入り1箱が約20ドル、大袋のドライフード30LB(約14kg)が約20ドルです。砂は40LB(約20kg)1袋が約10ドル、これは月に2-3袋は購入するので、一番安いスーパーのWinCo(ウィンコ)ブランドのものを購入しています。これらもこの半年ほどで、約1ドルから2ドル値上がりしています。

 コロナで失業した人々の中には、餌を買うお金がなく、ペットを捨てたりシェルターへ連れて行くという手段を取らざるを得ない人も多く、今ではローカルニュースで捨てられたペットをアダプトしましょうというコーナーもできました。

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