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ハワイの「今」を駐在員の視点から-進む規制撤廃、浮かび上がる新たな問題

ハワイにおけるワクチン接種の進捗状況

 2月末時点での島別のワクチン接種完了者(2回接種)の割合は以下となっています。

州全体ホノルルマウイハワイカウアイ
12月74.1%77.0%67.0%66.0%71.0%
1月74.6%78.0%68.0%66.0%71.0%
2月76.3%80.0%69.0%67.0%71.0%
2022年2月21日現在:State of Hawaii, Department of Health

 ホノルルに関しては接種率が少し上昇しましたが、その他の島では微増もしくは変化なしとなっています。オミクロン株の蔓延が収束してきていることや、以前ほどワクチン接種の奨励も行われていないのが原因と思われます。実際、需要が減り、接種会場の閉鎖を行った病院も出てきています。

 年代別の接種率は、65歳以上は100%、40歳以上で80%と高く、18歳以上に関しては24歳までは80%に到達していますが、25歳から39歳のレンジでは76%と少なくなっています。これに関しては、恐らく、大学登校に際してのワクチン接種義務が影響しているからだと思われます。尚、若年層に関しては、5歳以上が35%、12歳以上は73%となっています。

ハワイにおけるブースター接種の状況

 CDC(疾病予防対策センター)の指針に基づき、年齢12歳以上で2回目接種から5ヶ月が経過した州民を対象に3回目のブースター接種が行われています。2月末時点の対象者は約94万人で、56%に当たる53万人が接種済みとなっています。

 オミクロン株の収束に伴い規制撤廃が始まっていますので、今後はブースター接種だけでなくワクチン接種も進展しないと予想されます。

ハワイで実施されている規制

 海外から米国入国に必要なワクチン接種及び陰性証明の提示に変更は出ていません。またハワイの場合は、独自に州外から到着する国内旅行者にもワクチン接種または陰性証明を求める「セーフ・トラベル・プログラム」も変更なく継続しています。ただ、懸念されていた「ワクチン接種済み」の定義を「2回接種」から「ブースター接種」へ変更する可能性は、オミクロン株の収束とともになくなりました。

 マウイ島では「セーファー・アウトサイド・マウイ」プログラムにて、レストランなど屋内施設利用時に「ブースター接種」が求められていましたが、2月7日時点で不要となり、更に21日からは「接種証明書の提示」自体が不要になりました。

 また、オアフ島実施の類似プログラムである「セーフ・アクセス・オアフ」も、3月上旬を目処に撤廃を検討するという報道がされています。実行された場合、残る規制は州知事が発令している「屋内でのマスク着用」のみとなります。

増え始めている観光客。春休みには家族連れで賑わうと思われます。

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