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【コラム】旅行の無料化?

  • 2022年1月13日

 年明けから既に半月経過していますが、これが今年最初の発行人コラムとなります。皆さま、本年もどうぞトラベルビジョンを宜しくお願い申し上げます。

 先日、観光とは関係のないIT系の会社を経営する知人から「なんで、無料の旅行って無いの?」と唐突に聞かれました。反射的に「そりゃ無いだろ、慈善事業じゃ無いんだから」と返すと、

「Googleの検索や地図アプリ、LINEやSkype、※GPSは無くてはならないほど利用者の役に立っているのに無料、そしてメチャクチャ利益あげてるよな?」

「そりゃそうだけど、提供する商品やサービスがインフラ系で旅行とは全く違うわけで…」

「そうか?転職エージェントも、転職希望者には支援を含め無料の会社は多いし、そういう会社でもテレビやネットで相当な宣伝費を使える位、儲かってるよね?」

「確かに無料サービスを提供している会社でうまく行っているところもあるけど、例えばテレビ(民放)は無料だけど凋落一途、コーヒーメーカーは無料でも豆で儲けるモデルも一時の勢いは無いだろ?」

「それは論点のすり替えだ。あえて乗っかると、テレビの凋落の主因はコンテンツ軽視、コーヒーの会社は消費者の利益よりも企業利益を重視した結果だよな。本題に戻ると、ずぶの素人である俺がちょっと考えるだけでも無料の旅行アイデアは幾つか思いつくぞ」

「…教えて下さい…」(急に敬語)

「どんな事業だって、新規顧客の開拓は必須だよな。リーチし難い、有望な顧客開拓のためなら多少の支出は厭わないだろ?また、クリティカルマスを超える事が成否を分ける事業、人手が足りない業種もあるよな、そういうところはシェア拡大や採用の為の予算を当然持ってる。そういう企業の費用負担で旅行者には無料旅行のイメージだな」

「…もう少し具体的に教えて下さい…」(敬語続く)

「クリティカルマスを超すことを最重要課題としている企業でキャッシュバックやポイント還元をしているところは多いけど、コロナ禍中ということもあってか、旅行招待は少ないように思える。個人的には「来年のハワイ旅行プレゼント」はけっこう刺さると思う。そういう企業への提案を旅行会社はしているのかな?」

「なるほど…先生、もっと教えて下さい!」(ついに「先生」となる)

「八王子市(東京)に村内ファニチャーという超大型の家具屋さんがあるの知ってるか?国内外のお手頃なものから高級品まで揃っていて、丸一日いても飽きない、質量共に日本最大級なんじゃないかな。しかし、八王子と相模原にしか店舗は無い。例えばこのお店とタイアップして、1万円の買い物券の購入と引き換えに近隣のホテル無料宿泊を提供する。今ならホテルも空いているだろうし、ホテルへの支援にもなり、三方良しでは?その集客とホテルとの交渉、予約手配を旅行会社がやれば四方良し。特定のエリアから一定数集客して購入に繋がれば、配送費の交渉もできるのでは」

「先生、他には?!」

「自分で考えろ!」

※GPSは企業利益では無く、発祥である米国の国益


 コロナ発生から2年、ようやく感染状況も落ち着き、光明が見え始めたタイミングでのオミクロン・第六波、それに伴う蔓延防止の再措置。緊急事態宣言も取り沙汰され、GoToの再開延期はもはや確定。

 年明けとともに、せっかく入った予約のキャンセルに対応しながら、暗澹たる気持ちになっている方も多いと思います。もちろん私もその一人なのですが、一方で今年は観光産業復活の年になるとも確信しています。せっかくここまで耐えたのですから、もうひと踏ん張りして、コロナ収束を共に喜ぶ日を迎えましょう。

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、31周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事、㈱ミックナイン社外取締役​

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