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【現地レポート:イギリス】2021年イギリスの夏を振り返って

  • 2021年9月21日

地方とロンドン、明暗の分かれた国内旅行
王室所有の歴史的建造物を管理するHRPにインタビュー

 ウィズコロナ2度目の夏、各規制も撤廃となり、2年ぶりにウィンブルドンテニス選手権が開催、サッカーはイングランドがユーロ2020で初の準優勝という快挙、そして東京オリンピック・パラリンピックでのチームGBの大活躍の余韻が冷めやらぬ中、全米オープンテニス選手権で18才のエマ・ラドゥカヌが女子シングルスで初優勝とスポーツの明るいニュースが多数ありました。また、8月以降はイギリスが世界に誇る演劇やュージカル、コンサートにバレエなど、各種エンターテイメントも条件付きながら再開し、今年は久しぶりに芸術の秋を堪能できそうな気配です。

 ワクチン接種に関してはすでに全国の16歳以上の8割以上が2回の接種を終えた現在、週平均で1日の感染者数は依然2万人から3万人前後ながら、死亡者は激減の平均100名以下となり、ワクチン効果はほぼ立証された形です。

 つきましては過去2回にわたってお届けしたコロナ関連の話は割愛し、イギリス国内の旅行や観光に関する話題を中心に、別枠のフォトニュースでケンジントン宮殿を、そして関係者へのミニインタビューもご紹介します。

※内容は2021年9月13日現在

17世紀から300年以上の歴史を誇るウィリアム王子一家もお住まいのケンジントン宮殿。最新の情報はフォトニュースをご覧ください。

久しぶりの空港混雑、しかし主流はステイケーション

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 海外旅行も解禁となり、人気の行き先はやはりスペイン、ギリシャの島々やポルトガル、マルタ、クロアチアなど、イギリスから2時間から3時間で行ける地中海リゾート。ロンドンヒースロー空港はこの7月、昨年3月以来最高の150万人の出国を記録しましたが、これも2019年7月との比較では8割減と、まだ最盛期には遠く及びません。私自身を含めた周囲も、皆ワクチン接種済みで、帰国時自主隔離が不要の場合でも、出発前のPCR検査や様々な手続きの煩雑さからこの夏はステイケーションの人がほとんどでした。ちなみにこの造語、こちらでは元々どこにも行かず、自宅や地元で過ごす言葉であったのが、いつの間にか日帰り旅行や国内旅行全般に使われるようになりました。

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