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【タイ現地レポート】新規感染者数は連日2万人超え、ワクチン接種と「サンドボックス」に期待

サンドボックス開始

 この1年半タイの旅行業界では暗いニュースばかりでしたが、ようやく明るいニュースが入ってきました。プーケットサンドボックスサムイプラス(Phuket Sandbox Samui Plus)です。これはワクチンを接種した外国人旅行客に隔離ホテルの代わりにプーケット島で自由に1週間過ごしてもらい、2週目には近辺のサムイ島などにも自由に移動することが出来、2週目の終わりにPCR検査を受け陰性であればバンコクや他県へ自由に移動することが出来ます。

 コロナ禍で観光業に影響が出て島全体が不況のプーケット、タイに訪れたいがホテルでの隔離はしたくないリタイア層の外国人旅行者のそれぞれの問題を解消するための政策です。そのためプーケット島やその周辺の住民には以前から優先してワクチンを接種し、外国人旅行客の受け入れの準備を行ってきました。筆者はプーケットに住んでいないので現地の実際の状況について紹介することは出来ませんが、無事7月1日から外国人旅行客が毎日何百人とプーケット島に到着しています。

欧米のリタイア層が多く住むジョムティエンビーチ周辺

ワクチン接種状況

 8月22日現在人口の約27%が1回以上のワクチンを接種し終え、約8%が必要回数の接種を完了しています。日本とほぼ同じタイミングでワクチンの接種が始まったにも関わらず、先進国と比較するとかなり遅れを取っています。

 まだ2回目のワクチンを接種出来ていない人の割合も他国と比べてかなり高いです。これは恐らく供給量が限られている場合はより多くの人に1回目だけでも接種してもらおうというタイ政府の政策かと思います。かくいう筆者もアストラゼネカ製のワクチンを6月上旬に打って以降、まだ2回目の予約案内が来ておりません。

ワクチン接種レポート

 上記で述べたように、6月に入って会社の人事部から本社勤務の従業員全員の1回目のワクチンを確保したという通達が出ました。当時タイでも1回目を受けられるのはかなり早い方で、周りのタイ人日本人従業員は副反応のリスクや製薬会社がわからないことからほとんどの人が打つのを見送りました。筆者は副反応や製薬会社による微妙な効果の差異よりも、1日も早く集団免疫を作ることが社会に対しての責任と個人的に判断し、ワクチン接種の予約をしました。

 接種会場となったのはバンコクの中心部から少し外れにあるショッピングモールでした。受付でパスポートと会社からもらった書類を提出後、1時間順番を待った後ワクチンを接種しました。打つ寸前にようやくアストラゼネカ製のワクチンだとわかりました。接種後は接種完了の証明書をもらい、帰宅しました。

 当時はタイでも筆者の周りの人はまだ誰もワクチンを受けておらず、副反応がどのようなものかというのも周りから聞いておりませんでした。接種後2時間程で頭痛・下痢が始まり、就寝後早朝4時に寒さで目が覚め、体温を測ると38.5度でした。熱は数時間で収まりましたが、そのあとも頭痛・筋肉痛・味覚障害が2日程続き、接種後1週間まではずっと倦怠感がありました。

バンコクの接種会場。ソーシャルディスタンスはあまり保たれていない

今後について

 8月以降タイでは新規感染者数が2万人を前後しているのを見ると、デルタ株のピークはちょうど今執筆している8月下旬でそれ以降は勢いが収まり、ワクチンの接種が進むとイギリスのように死亡者数の数も減ると筆者は期待をこめて予測しています。

 来年以降もコロナは収まらないが、全世界でワクチンの接種がある程度完了すると、国ごとの規制が徐々に解除され、最終的にはボーダーレスな移動が出来る社会に戻るだろう、来年にはまた海外旅行に行けるだろう、と楽しみに今は自粛期間を自宅で過ごしています。