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お客様は戻っても辞めたスタッフは戻らない-前田産業ホテルズ 統括支配人 石井昭夫氏

人材は宝、モチベーションを保ち需要回復に備える
周辺ホテルと組みエリア全体の魅力向上へ

 コロナ禍に翻弄される沖縄で複数のグループホテルを経営する前田産業ホテルズ。厳しい経営環境を余儀なくされているが、新たなホテル開業計画も着々と進行している。コロナ後の需要回復期を見据え、急速に客足が戻った場合にも対応できる準備は怠らないという統括支配人の石井昭夫氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

前田産業ホテルズ統括支配人の石井昭夫氏。インタビューはオンラインで実施した。
-まずは前田産業ホテルズについて教えてください。

石井昭夫氏(以下敬称略) 前田産業ホテルズは32年前に名護市で「ホテルゆがふいんおきなわ」を開業しました。その後、もとぶ町の「ホテルマハイナ ウェルネスリゾートオキナワ」や「アラマハイナ コンドホテル」、「ホテルゆがふいんBISE」を開業し、4軒のグループホテルを展開しています。ただし「ホテルゆがふいんBISE」は現在休館です。ほかにもとぶ町で商業施設「オキナワ ハナサキマルシェ」も経営しています。ホテルの主な顧客層は内地からの家族旅行者。北部でのんびり過ごしたい旅行客や「沖縄美ら海水族館」が目的の観光客が滞在拠点として利用するケースも多いのが特徴です。

-続けて石井統括支配人の自己紹介もお願いいたします。

石井 千葉県の船橋生まれで30歳過ぎまで関東のホテルに勤務していました。帝国ホテル、ヒルトン東京ベイ、フォーシーズンズホテル椿山荘で経験を積みましたが、リゾートで働きたくなり沖縄へ来たのは30代半ばです。ザ・テラスホテルズとヒルトン沖縄北谷リゾートを経て現在に至ります。

-沖縄の観光産業の現状、また前田産業ホテルズとしての状況をお聞かせください。

石井 沖縄県全体としては、インバウンドは2019年にすでに下降局面に入っていましたが、コロナで大打撃を受け、最悪期には前年比98%減まで落ち込みました。当社もGoToトラベルで瞬間的に稼働率50~60%に戻ったこともあったものの、年間を通せば這いつくばっているような状態でした。

 2019年4月~2020年3月と2020年4月~2021年3月の実績を比較すると、グループで一番規模が大きい客室数260室のマハイナの平均客室単価(ADR)は1万5000円から1万2000円台に下がり、稼働率も67%から17%まで下がりました。グループ内では比較的好調だったアラマハイナでもADRは2万3000円から2万円台へ落ち、稼働率は約50%から40%に届かない程度まで落ち込みました。

-アラマハイナの稼働率40%はこの状況では健闘だと思いますが、やはりグレードの高いホテルの方が稼働が良いのでしょうか。

石井 GoToトラベルに対する消費者の反応もそうでしたが、いつでも泊まれる手頃なホテルより、少し贅沢なランクから選んだり、海外旅行へ行けない分だけ予算は多めに割く傾向はありますね。

-今夏の需要の見通しはいかがですか。

石井 7月、8月ともかなり悪いです。2019年比ではマハイナはよくて30%。状況次第で10~15%もあり得ます。9月はもっと下がるでしょう。アラマハイナは7月、8月が60%程度を期待しています。

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