itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

既成概念にとらわれない発想で幅広く信頼関係を築く―株式会社全旅 代表取締役社長 中間幹夫氏

昭和のビジネスモデルからの脱却、旅行会社も社会貢献、地域貢献の意識を

-与信枠にコロナの影響はあるのでしょうか。

中間 影響はありません。与信枠に形式的にこだわっても実質的に裏打ちができるかと言えば疑問です。それより究極の信頼関係と信用取引を大切にしてまいります。それが古いビジネスモデルだとは思いません。むしろ、それこそが取引の原則中の原則だと考えています。コロナから業界が立ち直るには3年から5年はかかるでしょう。その時期に当社の価値が決まります。雨の際に傘を差し出せる企業でなければ会員様との信頼関係は築けません。

-コロナ収束後に向けてどのような攻めの施策をお考えでしょうか。

中間 コロナで多くの旅行会社が疲弊し大手旅行会社も例外ではありません。その時期だからこそ我々のような企業との提携に価値を見出す面も多いはず。新たな業務提携も結べますし、すでに提携関係にある旅行会社との協力関係を強化する機会でもあると考えています。

-Go Toトラベルの再開を含め政府に望むことをお聞かせください。

中間 政策の制度設計を分かりやすくしてほしいですね。政府も、利用者が喜び利用率が上がり、有難いと感じてもらえる政策にしたいはずです。

 Go Toトラベルは一時は再開できないと見ています。当面は各都道府県の宿泊券事業でのマイクロツーリズムで観光産業を動かしていくしかないでしょう。また、これまでのGo Toトラベルでは、我々中小零細企業への利益は少なく、OTAや大手旅行会社だけが潤ったのではないかと感じています。是非とも政府には、Go Toトラベル再開時にはさまざまな課題や問題点を改善、是正してほしいと思っています。

-トラベルビジョンの読者に向けてメッセージをお願いいたします。

中間 コロナ禍で1年を超え、観光産業に関わるどの会社も大きく傷んでいます。旅行業界、宿泊業界、交通業界がそれぞれ単独で取り組んでも立ち直れる状況にはありません。互いに連携を深め実行を伴った協力態勢を作るべきだと思います。各業界が狭い視野で利益を追求するのではなく、観光業界すべてが団結して、大人の知恵と寛大な心を持ち、困難な時代を切り拓いてまいりましょう。

-ありがとうございました。