DXに関するアンケート

【コラム】旅行業をアップデートしよう
今変わらなければ、コロナが収束しても浮かぶ瀬なし

  • 2021年1月31日

 旅行会社の利益率の低さはかねてから課題と認識されていましたが、改善された事実も兆しも見えぬまま、コロナに襲われました。それでもコロナ前は旺盛な需要とベンダー及び受入元の旅行地や社員の努力や犠牲により、何とかギリギリ収支が合っていたため、この課題に正対する事を避け、ベンダーへの値下げやボリュームインセンティブの交渉等、対処療法に終始していた会社が多かったのではないでしょうか。

 しかしコロナ後はお客様の安全への要求は強くなり、環境への配慮、旅行地への貢献も求められます。また、航空会社や宿泊施設及びその他の素材・サービス提供業者の供給回復は少なくとも当面は限定的と見ざるを得ず、値引きやボリュームインセンティブは期待出来ないでしょう。

 コロナ収束は全観光産業の悲願ですが、収束しさえすれば「何とかなる」と言う希望はおそらく打ち砕かれます。

 ツアーの造成に際しては、時間もお金もかけて、現地を訪れ、自分の目で確かめた商材を採用し、自分自身が納得できる安心への取組を施し、更には旅行地への貢献を意識した企画であるべきですし、航空座席や宿等の仕入に際してはリスクを取って買い取りをしなくては仕入が出来ない状況も想定されます。このような企画を廉価に設定する事は出来ず、或いは必要が無いため、粗利益率も自ずと上がるでしょう。「安い」が唯一の購買動機のお客様で構成されるツアーはベンダーにも現地にも受け入れて貰えなくなると覚悟すべきです。

 業務渡航に関しても、お客様指定の行程や航空会社・ホテルをただ手配するだけで頂戴出来る手数料は今後も下落一途となるでしょう。

 危機管理を代行する、最新の情報に基づき安全と効率の向上に繋がる行程や選ぶべき航空会社・乗り継ぎ地や現地での移動手段をサジェストする。カーボンオフセット等環境への配慮、オンラインとのハイブリッド型の出張形態、時間も費用も節約できる業務のアウトソース等々を提案できてこそ、旅行会社の存在意義が保たれるのでは無いでしょうか。

目指すは、
お客様にも取引先にも、地域にも必要とされ、求められる業界
若い人が是非入りたいと思い、働くことに誇りを持てる業界

 必ず生き残ると言う強固な意思、変わる事を恐れない勇気を持って、旅行業・観光産業をあるべき姿にアップデートしていきましょう。

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、31周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事