itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

Trip.com、航空会社向け新サービス「エアライン・パートナー・ポータル」でプロモーション支援

  • 2020年12月23日

 オンライン旅行大手のトリップドットコム・グループ(Trip.comグループ、中国・上海市)は12月18日、先頃提供を開始した航空会社向けの新サービス「エアライン・パートナー・ポータル(Airline Partner Portal)」のオンライン説明会を実施し、航空会社とメディアの関係者ら約50名が視聴した。

ウィー氏

 説明会の冒頭で挨拶したフライトビネスグループの国際市場担当シニア・ディレクターのウィー・チー・ティヨン氏は「パンデミックからの回復期にある現在、中国マーケットはすでに19年実績を超えるレベルで回復している」としたうえで、「中国の回復を嬉しく思っているが、今後の期待はグローバルマーケットでの回復だ」と述べ、今後は国際市場の回復に注力していく方針を強調した。

 エアライン・パートナー・ポータルは、トリップドットコム・グループが保有するビッグデータにアクセスできるプラットフォームで、航空会社がいつのタイミングでどのようなプロモーションを行うべきかを判断する際の参考情報を得ることができる。トリップドットコム・グループは中国最大のOTAであり、流通総額はOTAとして世界1位。世界31地域でビジネスを展開し、会員登録数は4億人、アプリダウンロード数は10億以上にものぼり、グループ内に日々蓄積されるビッグデータは膨大な量だ。

古舘氏

 「エアライン・パートナー・ポータル」を通じてアクセスできるビッグデータの種類はエアライン・ビューとマーケット・インサイトの2つ。エアライン・ビューは、OTAサイト「Trip.com」の路線別売上トップ10、購買行動(出発の何日前に購入するか等)、購入者の滞在日数、購買単価など航空券販売に関するデータ。こうしたデータを活用することで「対象期間などの条件を指定したり、前年実績と比較したりすることも可能で、プロモーション内容の検討材料になる」(フライトビネスグループの古舘秀治エライン・ディレクター)としている。

 マーケット・インサイトは、比較検索サイト「スカイスキャナー」を含むトリップドットコム・グループにおける路線別検索数の多寡や検索傾向といった検索パフォーマンスに関するデータ。これらの情報を把握することでプロモーションのタイミングを見極められる。

レシジョン・マーケティング(精密マーケティング)

 またオンライン説明会では、「Trip.com」サイトが提供している全21カ国語の多国籍ユーザー市場に対し、言語サイトごとの販売促進を行うために用意しているプレシジョン・マーケティング(精密マーケティング)も紹介された。これは、多国籍の膨大なユーザーの中から、ある条件に合致したユーザーに絞ってバウチャー配布等のキャンペーンを展開する機能。ユーザーの絞り込み条件として、利用航空会社、訪問都市の組み合わせ、過去の検索期間、検索回数などを設定できる。このため「潜在顧客の発掘や競合他社からの顧客誘導ができるうえ費用対効果も向上できる」(古舘氏)のが特徴だ。

 このほか、コロナ禍でニーズが高まった国内旅行需要の喚起策として7月に開始したネット生中継のライブコマース配信(オンライン実演販売)も紹介された。この配信では、変更手数料や取消料が無料の商品ラインナップを用意するなど新たな試みに取り組むと同時に、消費者がより安心して旅行商品を購入できる環境作りを工夫している。