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ドイツ、コロナ後も日本は最重点市場、23年に日本人125万泊を目指す

  • 2020年12月7日

  西山氏 ドイツ観光局はこのほど業界関係者を招きクリスマス懇親会をおこなった。会は例年よりも簡素化し換気や消毒など感染対策を徹底した形で実施。冒頭、ドイツ観光局アジア・オーストラリア地区統括局長の西山晃氏がドイツの現状と今後の見通しなどについて説明した。

 昨年までドイツを訪れる外国人の宿泊数は10年連続で最高記録を更新しており、2019年は前年比2.6%増の8990万泊、日本については約120万泊で横ばい傾向であるものの12月は11万512泊となり歴代最高を更新した。同局では1997年よりクリスマスをテーマにしたプロモーションをおこなっており、西山氏は「旅行会社の皆さまのおかげで、現在では観光局が積極的に支援しなくても確立したテーマとなった」と謝意を述べた。

 課題は7月から9月の夏場のシーズンの落ち込みだが「コロナの影響で一旦リセットされる」(西山氏)として、日本は中国やアメリカと並び、重要市場の一つとして追加予算が決定するなど期待は高いという。尚、2020年の1月から7月までの日本人宿泊数は前年比71%減で3月から急減な落ち込みとなった。

 コロナ後の回復は当初の予測よりさらに時間がかかり、業務渡航の減少の影響から、ドイツへ訪れる外国人は2023年になっても2019年の宿泊数の86.4%の見込みだという。さらにヨーロッパを数ヵ国周遊するのではなく、1ヵ国を訪れる旅行が主流となりFITが増加すると予測。

 日本市場については2023年に125万泊を見込んでおり、2019年比で4.0%増となる。同局ではヨーロッパを訪れるに日本人について、高収入、高学歴が多く、都市と文化が需要の多いテーマと分析。今後の重点テーマを「都市と文化」「宮殿・庭園・公園」「観光街道」「食文化」にしていくという。

 現在実施中のキャンペーンについては多くが期間を延長しており、例えば#Discover Beethoven2020(ディスカバーベートーヴェン2020)は2021年9月まで延長。さらに現在ポッドキャストで「楽聖の足跡を訪ねるドイツの旅」を公開しておりベートーヴェンの音楽のルーツを聞くことができる。

 同局はSNSにも注力しており、特にツイッターは約11万のフォロワー数で「日本にある海外政府観光局でトップのフォロワー数」(西山氏)で、平均エンゲージメント数も約7%で高い数値であることを強調。#DiscoverGermanyFromHomeキャンペーンでは同局公式アカウントの発信から1116万以上のインプレション数(ツイートした内容が他のユーザーに表示された回数)だったという。

 2021年はグローバルキャンペーン「German.Local.Culture」が決定しており、日本では「お城と食文化」「観光街道」「クリスマス」をテーマにソーシャルメディアやOTAを混合させたクロスメディアキャンペーンを展開していく予定だ。また来年は日独交流160周年の年で、西山氏は「観光の側面から盛り上げていく」と意気込みを語った。