【コラム】JALとANAの出向人事から見える「不都合な真実」

  • 2020年11月7日

 JALとANAが揃ってグループ外の他産業への社員出向を行う旨、各メディアが報じています。出向先の具体的な企業名や人数規模、出向中の給与の扱い等にフォーカスがあたっていますが、我々業界人が注目すべき点は、出向の期間と出向者の現在の担当業務です。

 短期出向もあるようですが、2年にわたる長期出向も想定されており、これは両社共に航空需要の低迷が少なくとも2年は続くと見ているからでしょう。また、客室乗務員や空港業務を担っている社員を主に出向させるとの一部報道も有り、これは中長期にわたる減便や機材縮小を想定しての事でしょう。

 今後の我が国の航空需要を占うに最も多くの情報を得られる立場にある日系2社がこのようななりふり構わない対応を取るからには、それなりに確度の高い想定に裏付けられていると考えられます。

 特に海外渡航需要が来年中にそれなりの回復(2019年比5割等)をすると見立てるのはもはやあまりにも楽観が過ぎると思われます。少なくとも来年2021年に海外旅行分野にて損益分岐点を超える成果を出せる旅行会社は殆ど無いでしょう。

 我々がこれまで売ってきた旅行商品は当面売れない、しかし我々にはお客様と言う「基盤」が有ります。新規にお客様を開拓するのは時間もコストもかかりますが、既に一定の信頼関係が構築されている「既存客」がいます。自社が提供出来る商材・サービスだけでは無く、お客様が欲するもの、必要とされているものを探り当て、死に物狂いで売っていくしかありません。

 当サイトには月間平均20万人の方がアクセスし、その大半は観光産業に関わっている方々です。その中には今「売れる」商品やサービスを供給できる人や会社、それらを買って頂ける可能性がある顧客基盤を有している人や会社が多数あるはずです。この未曽有の危機に際して業界誌として出来る事の一つは、それらの方々を繋ぐことだと思っています。先ずは「売れる」可能性のあるものをお持ちの方は当社編集部宛てに情報をお寄せ下さい。誌面にて紹介させて頂き、売り手を募集させて頂きます。もちろん、この件で当社は広告費や手数料等一切の費用は頂きません。1社でも多く生き残るため、協調・協業を実現しましょう。

 既に当社へ提案頂いている商品・サービスとしては、特定感染症保険付き抗体検査キット、自律走行型UV除菌ロボット、遊覧チャーター企画、ハラル認証を受けた高級日本茶等々があります。これらの多くは、旅行会社の「お客様(一般企業)」が販売提供している商品やサービスで、それを日本中の旅行会社の販路に乗せたいと言う内容です。

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※11月10日より当コラムは火曜日の日刊に掲載させて頂きます