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【仕事を変える】外資系航空会社からアーユルヴェーダの世界へ 41歳の選択-比留間絢子氏

-異業種で独立することに不安はありませんでしたか

比留間 個人事業主になる不安はありますが、「これまでと違う」ということは最大の武器だと考えています。セラピストの知識と技術を持っている方は沢山いるし、現地に勉強に行った方もいるでしょうが、旅行業の知識を私ほど持っているセラピストはまずいない。この経験は大きな柱、強みになると考えているので、その意味では業界が変わることに不安はありません。また、これまで本当に素敵な勤務先にお世話になり、沢山のことを教わり与えられてきたのだから「自分はできるはず。できなくてはいけない」と思いました。

 もちろん、最初はコンスタントにお客様が来てくれるとは思っていないので、1年は辛抱して、認知度を上げることに注力します。週2回はパートをして固定で入ってくる収入を持ちつつ、事業の基盤を作っていきたいと考えています。

-将来は事業をどのようにしていこうとお考えですか

比留間 当面会社は作らず、個人事業主として営業していくつもりですが、将来的には日本とスリランカの架け橋となることが目標です。でも、その形は固定でなくてもいいと思っています。例えば私は今41歳ですが、できれば子どもも欲しいと思っています。妊婦さんはアーユルヴェーダの施術を受けられないと言われているのですが、であれば身体に負担のかかる妊婦さんは妊娠中どのように過ごしたらいいか。もし私がそれを学び、体験したら、新しい発信ができるのではないでしょうか。コンセプトはしっかりと保ちつつ、その時の状況に合わせて様々なアプローチをしていきたいと考えています。

 「好きなことをしながら食べていくことが出来たらいい」とは思っていますが、「好きなこと」の中には旅も含まれているので、定量的な目標としては、旅行ができる位の、これまで会社員として稼いできた収入を上回る形に持っていきたいと考えています。

-旅行業界を離れてみて、業界で働く方へ何かアドバイスできることがあれば教えてください

比留間 ネガティブに聞こえるかもしれませんが、この状況下、「会社は守ってくれるものではない」と思った方が良い、ということでしょうか。会社にすべてを委ねるのではなく、何をどうしたらお金の流れを業界に取り戻すことができるのか、自身を養っていけるのか、個人でも考えていかなければいけない時期だと思います。私はその自信がなかったので業界から身を引いたわけですが、手放すことでやってくるチャンスもある。仕事を辞めてみて初めて、国民年金保険の支払いなど、雇用されていることの有難みも実感していますが、このコロナ禍で当たり前が当たり前でない状況ですから、「こうあるべき」だとか「こうしなくてはいけない」を一度リセットし、多くの選択肢がある中で自分は何をしたいのか、受け身にならずに自らイニシアティブを取って選択していくことが、良い結果に繋がっていくと思います。

編集部注:サロンの情報は下記の通りです。
サロン名「Sri Ayush(スリ・アユッシュ)」(2021年1月開業予定)
※スリランカやアーユルヴェーダの情報を発信中 → https://instabio.cc/20902wxI1mP

インタビューを終えて
 今回は旅行会社及び航空会社での勤務を経て、このコロナ渦中で異業種での独立・開業を決断した比留間さんにお話を伺いました。今後はアーユルヴェーダをフックに大好きなスリランカ、観光産業にも引き続き貢献して行きたいと語っておられ、OBと観光産業の理想的な関係の一つの形だと思いました。
 来年1月の開業予定との事ですので、是非皆さん応援お願いいたします!