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東京就航30周年、アシアナ航空の成長戦略とは-日韓関係改善に期待も

日韓路線を「国内線感覚」に
親会社変更で基盤安定、以遠路線も強化へ

-日韓関係の現状についてお考えをお聞かせください

 日韓両国には1500年もの間、友好的に交流しお互いに発展してきた歴史がある。関係が悪かった時期は50年ほどにすぎないとも言われている。お互いに一度でも相手の国を訪問したことがある人たちは、相手国に対する認識が良い方に変わったという話をたくさん聞いてきた。

 韓国人でも日本を好きな人はたくさんいる。日本の文化やおもてなしなど学ぶことも多い。これに関しては誰もが認めているし、韓国でも日本について学びたいとの思いでさまざまな取り組みを行っている。私としては、より多くの人たちに両国間を往来してもらえるよう、まずは青少年の交流に対する全面的な支援が必要だと考えている。

-具体的にはどのような取り組みにしたいとお考えですか

 青少年たちが日韓路線を「国内線感覚」で利用して韓国を訪れてくれるようになってほしい。韓国は非常にコンパクトな国で、公共交通システムも日本に大変よく似ている。日本人にとって、韓国国内の移動はそれほど困難ではないと考えている。

 韓国には日本との関係を感じるスポットが数多く存在する。例えば韓国中部の忠清北道にある「扶余(プヨ)」は、6世紀から7世紀ごろに120余年にわたって栄えた百済の首都。日本の飛鳥文化との繋がりを感じてもらえると思う。日本の歴史で学んだことが隣国韓国に繋がる部分があるという新しい発見があるはずだ。このような経験を通じて、日韓両国の関係を新しい目で見つめ直すきっかけになればと考えている。

-両国間の関係改善において、旅行業界に携わる人間にできることは何だと思いますか

 私たち観光産業に従事する人間は、それぞれの立場で両国間の観光交流人口が増え、長期的な視点で日韓双方がWin-Winとなるために、自分ができることをひとつずつ実践していくことが大切だ。

 弊社は19年、観光庁と日本旅行業協会(JATA)が主導で実施した「ハタチの一歩 20歳 初めての海外体験プロジェクト」に協力した。業界が主導となってアウトバウンドを盛り上げ、諸外国との友好関係を築いていく取り組みを率先していってほしい。

 また、近年は韓国への修学旅行が減少していると感じる。時間的、経済的に負担が少なく、学びの場として豊富に素材がある点を今一度見直していただき、韓国へ修学旅行に来てもらえる教育機関が増えたらうれしい。地道な交流の積み重ねが、これからの日韓関係を正常な状態に近づけてくれるものと信じている。

-最後に、今後の展望についてお聞かせください

 今年以降、欧州の1、2か所に期間限定で新規路線を開設する予定だ。早い段階で決定し、日本の旅行会社の新しいディスティネーション販売に協力できるように努めたい。さらに良いサービスと価値をご利用のお客様一人ひとりに提供し、これまでの以上に信頼され、愛される航空会社をめざしていく。そして、ビジネスパートナーである旅行会社の皆さまとも協力し、新しい価値を生むビジネスを継続して発展させていきたい。

-ありがとうございました