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カナダ各州、新プロダクトの提案で需要の季節平準化-RVC2019 (2)

  • 2019年6月18日

「WOWエクスペリエンス」を積極アピール
先住民、食、ライフスタイルの素材を提案RVC

プリンスエドワード島州(PEI)
人気ドラマ「アボンリーへの道」に合わせて広告を展開

PEI観光局トレード&セールスマネージャーのクレイグ・スリス氏、日本代表の高橋由香氏

 PEI州政府観光局日本代表の高橋由香氏は、2018年のPEIの日本人旅行者数について、「カナダ全体が前年割れとなっているなかで安定した数を受け入れた」と評価したうえで、昨年6月に就航したACの成田/モントリオール線の要因が大きいとの考えを示した。また、ニューヨーク、ニューイングランド、モントリオールなどを周遊してくるクルーズからの日本人入込数も増加しているという。

 そのうえで、日本市場に向けては、ピークの夏に加えて、11月と12月のショルダーシーズンの需要喚起を強化。トレード&セールスマネージャーのクレイグ・スリス氏は「夏に比べるととても静か。野生動物も多く見られる」とその魅力をアピールした。

 このほか、今年夏にAXNで放映される人気ドラマ「アボンリーへの道」に合わせて広告を展開。グルメと観光の2方面でPRを強化する。このドラマは「赤毛のアン」の作者モンゴメリの複数の小説を元に構成されるもので、「赤毛のアン」のスピンオフとして人気が高いという。

ノースウエスト準州
夏のオーロラの知名度アップ、トナカイの大移動もPR

NWT観光局日本事務所アカウントマネージャーの田中映子氏

 ノースウエスト準州観光局が訴求するポイントは5つ。まず、デンプスターハイウェイの終着地イヌビックからトナカイの大移動を見るツアーをアピール。現地オペレーターの「ツンドラノースツアー」がツアーを提供しており、1月後半から2月末にかけて間近で圧巻の風景が見られるという。イヌビックのコーストフレーダーやキャピタルスィートなどのホテルに滞在し、オーロラと組み合わせた商品化を働きかける。

 また、冬の日中のアクティビティとして、アイスロードでのフラットバイク体験を提案。ラジアルタイヤ装備の自転車は、スノーモービルよりも安全に走行できるという。このほか、オーロラ鑑賞の拠点として人気のオーロラビレッジやカスバレイクロッジでのフィッシング体験を紹介。夏のアクティビティとしては湖でのカヌー体験をアピールしていく。

 同準州観光局日本事務所アカウントマネージャーの田中映子氏によると、大手旅行会社による夏のオーロラの商品が増えており、認知度の向上に合わせて送客も増えているという。「夏はウィンターギアなどの装備が必要ないため、より身軽にオーロラを楽しむことができる」と田中氏。そのためレンタカー利用のFITも増えていることから、オーロラ鑑賞のための駐車場マップも作成している。