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新生スカイマーク市江社長に聞く、次の成長と国際線戦略

夏期のサイパン線・定期便化に意欲
“第3極”の存在価値を活かす品質へのこだわり

国際線の展開については、昨年2月の時点では「まだ早いのではないか」と慎重なお考えを示されていました。この1年間でどのような変化があったのですか?

市江 国際線展開も早い方が良いと思うが、それよりも大事にしていることがある。当職が就任し、中期計画を策定した際に、「新生スカイマークの方針」として「経営理念」「ミッション」「ビジョン」とともに定めた、「お客様への約束」でこれを守り、実現することに注力している。

 内容は非常に基本的なことで3つ。「1.安全の確保を最優先とします」、「2.お客様の時間を大切にします」、「3.シンプルで温かく誠実なサービスと快適な空間を、身近な価格で提供します」で、特に2に係る定時性は、機材のうち2機が書類の不備で耐空証明で引っ掛かり、遅延や欠航が続いてご迷惑をおかけしたことがあった。

 そこで、定時性向上の対策本部を作り、従前の空港本部だけではなく、整備や乗員含む横断的な本部とし、私が本部長としてその重要性を全社に共有して本気で取り組んだ。その結果、17年度は結果的に定時運航率が93%超で1位になった。目標は95%で、前年度をさらに上回るようにしていきたいと思っている。

 つまり、新しいことをスタートすることは必要だが、お客様への約束である安心して利用していただくための定時運航率と品質を、安定して提供することを最重要にしていた。あとは前述の通り、就航地の検討も後発組としてしっかり考えなくてはいけないということも、“慎重”になった理由だ。

品質という点では、御社を形容するときに「第3極」という言葉が使われます。これは単純にFSCとLCCとの中間領域でしょうか。それともANA、JALがあっての御社という対立軸ですか?

市江 今は両方の意味で使われているように思う。第3極は再建前から使われているもので、当時は大手2社に対する第3極の意味だった。その後、「お客様への約束」で定時性や品質で大手と引けを取らないレベルに引き上げる取り組みをする中で、品質は良くて“いい”値段で利用できる「真ん中」という話を聞くことが増えた。真ん中は隙間ではなく、そこを求めるのは一般の普通の人たちだ。それでいつの間にか、中間領域の第3極と捉えられるようになったと思う。

 ただ、前者の対立軸としての第3極はいまだに大事だと思っている。ANAに支援を受け、整備の力も上げさせてもらったが、日本には独立した経営で総合力を持ち、大手と競争できる会社が必要だ。とはいえ、空港の発着枠は数が限られており政策の影響は大きい。競争をさせるためにどうしようかというのが、本当は必要だ。

 日本の大手2社は似ていて、国内の普通運賃はほぼ同じ。サービスも基本は同じモデルだ。当社はそこまで贅沢ではないが、安心できて時間が遅れずに安いというモデルに集中しており、そういう会社が1社でもあった方が消費者に意味があり、社会的意義がある。そこを貫くことが当社の必要性だと思っている。

3年後など、中長期的な国際線の路線網はどのようにお考えですか?

市江 生産体制の充実と両輪でやっていかないといけないので、いまは描けていない。というのも、国内線も増やさないといけないと思っている。

 例えば、神戸発着で増加できるところがあれば優先的に考えていきたい。当社が拠点とする大事なネットワークだ。茨城も増えており、仙台も現在は鹿児島への1路線だがロードファクターはよく、他の都市にも飛ばせる可能性はある。国内の充実と同日に国際線のデスティネーションも増やしたい気持ちもあるが、確約まではできない。おそらく今後5年間に1、2か所、程度しか今は言えない。

ありがとうございました

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