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週間ランキング、1位はJTB高橋社長インタビュー、2位は京王観光に

[総評] 謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。右の画像は私が個人の年賀状に使用したもので、昨年飼い始めた猫は皆様にもご紹介済みですが、それ以外は初めて漬けてみた梅干しや、引っ越した先で出会い食生活を大いに彩ってくれている八百屋と味噌屋の写真を並べています。(猫と)食い気が人生の大半を占めていると露呈してしまいますが、食は生活の基本であって旅行においても超重要な要素なわけで、むしろ胸を張って食い意地を活かし、できれば今年は食をテーマとしたコンテンツも作っていきたいと考えています。

 さて、2019年1回目の週間ランキングで1位となったのは、JTB代表取締役社長の高橋広行氏(※高ははしご高)のインタビューでした。今年の新春企画のひとつで、今週は日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏のインタビューも掲載しており、JTBの新旧社長対決となったわけですが現社長に軍配があがったことになります。

 とはいえ、高橋氏のインタビューは今回が初めてであるのに対して、田川氏はこれまで何度もインタビュー記事をお届けしていますし、そうでなくても今週第4位にもあるように記者会見などでご登場いただく機会も多く、情報の希少性の観点からして当然といえば当然の結果といえるでしょう。(とはいえ田川氏のインタビューも、今年は趣向を変えて既視感のない内容となるように工夫していますので、田川氏のインタビューを読んだ記憶のある方にこそ読んでいただきたいと思っています。)

 高橋氏のインタビューでは、いろいろと興味深い話題をお届けしていますが、個人的には「3年後には収益の半分が旅行業以外から」というご発言が印象に残りました。それひとつについてだけでもいろいろと追加の疑問がわきあがってきますが、一番は「誰がそれをするのか」です。

 昨年末、ソフトバンクが1万7000人の従業員のうち9000人をグループ内の新規事業に配置転換するというニュースが報じられましたが、同じようなことがあり得るのでしょうか。もしそうだとすれば、グループで3万人弱を数える従業員の皆様のお役割がどうなっていくのか、業界全体の関心事となっていくでしょう。

 また、さきほど触れた第4位はJATAによる有給取得促進の取り組みです。「旅行会社こそ有給を」と記事のタイトルに書きましたが、これは私がずっと思い続けていたことで、調べてみると2010年から同じ主張をしています。この記事が上位に来るということは、それだけ皆様も「休みたい」と切実に思っていらっしゃる証左なのではないでしょうか。

 逆に、これも以前書いたような気がしますが、「休みやすい職場環境」を偽りなくアピールできるようになれば人材確保の観点でも大変プラスに働くでしょう。会社の規模であるとか他の理由で実際にはそう簡単ではないことも多々あると思いますが、いきなり70%をめざすという話ではありませんし、まさに「できるかどうかではなくどうやるか」であるはずです。

 「海外では、計画通りに休暇を取れない人はそれだけ能力が低いと評価される」と聞いたことがあります。業務渡航はさておき、旅行会社は一般論として休暇、余暇を飯のタネとしているわけですから、むしろそういった環境を率先してめざすくらいでいいのではないかと思います。

 なお、第2位には京王観光によるJR券関連の不正行為がランクインしました。鉄道会社の子会社がこれをしたということで言葉を失っていますが、心配なのは本当に京王観光だけの話かという点です。結構な長期間に渡っての「犯行」だったようで、関わっている人数も多いとなれば転職などによって他社に広まっている可能性も懸念されます。

 2013年であったかホテルでの食品偽装が発覚した際には、「実は当社も…」というような形で次から次へと自供が続いたと記憶しており、あるいは業界外でも昨年に免震・制振装置の検査データ改竄が発覚したと思ったら直後にライバル企業も不正を発表、という流れがありました。

 MARSの旅行会社への設置台数は、「鉄道情報システム株式会社」のウェブサイトによると約3300台もあるそうです。京王観光1社で終わってほしいと強く思う一方、もしも「実は」があるのであれば、隠し通せるものではないはずですし、このタイミングで膿を出し切ってほしいと願うばかりです。(松本)

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