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現地レポート:カナダ、プリンス・エドワード島、「食旅」の魅力

  • 2018年7月13日

モントリオール線就航でアクセスも便利に
生産者と共に楽しむガストロノミー

長閑な風景もPEIの魅力

オーウェル・コーナー歴史村の学校は1895年に建てられた

 シャーロットタウンから車で30分ほどにあるオーウェルには「オーウェル・コーナー歴史村」がある。19世紀後半の「赤毛のアン」時代の学校、教会、鍛冶屋、雑貨屋などが残され、往時の生活にふれることができる。なかでも学校は必見。木製の机には当時の子供たちが彫った落書きがそのまま残り、当時の様子が生々しく伺える。

 このほか、馬車に乗って村を巡り、鍛冶屋で製鉄のデモを見学。100年ほど前の生活風景だが、今のPEIにもありそうな感覚を覚えるのは、生活は変わっても周りの風景が大きく変わっていないからなのだろう。歴史村は夏季の6月から10月までオープン。シャーロットタウンからのオプショナルツアーとして、FITでもグループでも最適な場所だ。

インスタ映えするポイントプリム灯台

 このほか、PEIで人気の歴史的建造物といえば灯台。なかでも、東部にある「ポイントプリム灯台」は1845年に建設されたPEI最古の灯台で、昨年、カナダの歴史的遺産に認定された。真っ白い洋服に真っ赤な帽子を被っているような様子はどこか女性的な佇まい。長い間海の安全を守ってきた堅牢なイメージからは程遠い。

 もう一つ人気の灯台がある。ノバスコシア州へのフェリー乗り場の近くにある「ウッドアイランド灯台」だ。この灯台は、円塔のポイントプリム灯台とは異なり四角い造り。灯台というよりは、小さな町の教会というようなイメージだ。1980年代までは灯台守が住んでいたため、小さな住居も併設されており、内部を見学することもできる。


やはり外せない「赤毛のアン」、ミュージカルも必見

グリーンゲイブル・ハウスでは、「赤毛のアン」の世界を再現した部屋も公開  PEIのアイコンはやはり「赤毛のアン」。日本でも根強いファンは多く、その人気は今でも衰えない。「赤毛のアン」の舞台や作者のルーシー・モンゴメリゆかりの場所を訪れるコースは観光のハイライトとなっている。島北部にある、モンゴメリが育ったキャベンディッシュ村には、「グリーンゲイブル・ハウス」「お化けの森」「恋人の小経」など小説に登場する舞台が歴史的遺産として大切に保存されている。

グリーンゲイブル・ハウスの周りは散策コースも。「恋人の小経」もそのひとつ  シャーロットタウンでは、毎年夏期に「赤毛のアン」を題材にしたミュージカルが上演されている。コンフェデレーションセンター・オブ・ジ・アーツのホーンバーグシアターでは「グリーンゲイブルのアン( Anne of Green Bables - The Musical)」が上演。アンがPEIを訪れてからマシューが亡くなるまでのストーリーが演じられる。また、ギルドシアターでは、「アンとギルバート (Anne & Gilbert The Musical)」が上演。アンと幼馴染のギルバートのラブコメディが2部構成で演じられる。いずれも、本場で「赤毛のアン」の世界に浸りたい人には必見のエンターテイメントだ。


取材協力:カナダ観光局、プリンス・エドワード島州政府観光局
取材:山田友樹