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週間ランキング、1位は航空会社満足度、てるみ関連も

[総評] 今週の1位は、エイビーロード・リサーチ・センターによる「エアライン満足度調査2017」の結果でした。先週はスカイトラックスが1位になったばかりで、あらためてこうした話題に対する注目度を実感します。

 もともと、トラベルビジョンで掲載している記事のジャンルは旅行会社や航空会社、ホテル、観光局、行政など様々ですが、平均すれば航空会社の記事は最も人気があります。ほかの話題だと業務との関わりで選択的に読まれる一方、航空路線はレジャーも業務渡航も、団体もFITも、そしてインバウンドもアウトバウンドも関係なく必要不可欠ですので、自ずとそうなるのだと思っています。

 さて今回のエアライン満足度調査では、なんと日本航空(JL)が1位となり驚きをもたらしました。日本の調査ですし日本の航空会社が上位に入るのは不思議でもなんでもないのですが、それでもJLが1位になるのは調査開始から11年目にして初めてと書くと驚きの理由も伝わるでしょう。

 ライバルである全日空(NH)と比較しても、昨年の順位はNHの2位に対してJLは4位であり、先週のスカイトラックスもNHが3位でJLは16位、さらにこの数年は事業規模でもNHに逆転されるなど両社の勢いの差が目立っていました。

 先週も触れた通り、JLはこの4月でいわゆる「8.10ペーパー」の制約から離れて再成長への手を打ちやすくなったところで、今回の結果は関係者の皆様にとって励みになるでしょう。もちろん迎えうつNHが黙って見ているわけもなく、これからの競争が見ものです。

 また、今週はこのほか、てるみくらぶ関連の記事が2本ランクインしました。いうまでもなく、てるみくらぶが旅行業界に与えた影響は甚大で、早急に再発防止や信頼回復の策を取りまとめなければなりませんが、まずひとつ気になるのは、旅行業界が一丸となって取り組む体制になっているのか、という点です。

 つまり、てるみくらぶに対する消費者の反応として大手志向の強まりがあったと思われますが、大手旅行会社にとっては今のままの方が少なくとも短期的には有利になる可能性があるわけです。観光庁のワーキンググループでは、7月中に意見の取りまとめをするとのことですが、そういった本音の部分が対策の実効性を損なうことのないように願うばかりです。

 なお、第2位はジェイティービー(JTB)がクオニイ・グループの一部を買収する案件について、クオニイジャパン代表取締役社長のビクトー・ロペス氏にお話を聞いた記事でした。

 もともとは5月30日に買収のニュースを掲載し、6月2日付けの当欄でもコメントを書いたところ、当欄の文言に一部正しくない部分があったため改めて取材の機会を頂戴することになったものです。

 当欄は、勝手な私見を連ねるものながら旅行業界の発展のみを願って書いており、自分の経験の少なさを自覚した上で根拠のないご迷惑をおかけすることのないよう細心の注意を払っておりますが、6月2日の文章については慎重さが不足してしまいました。関係者の皆様にはご迷惑をおかけしてしまいましたことをお詫びいたします。

 第2位の記事では、入り組んでいた同グループ各社の相関関係を少しは分かりやすくお伝えできたのではないかと思います。当欄も、今後同じようなミスをすることのないよう一層注意深く書いていきたいと考えておりますが、一方では事実のみを積み上げる記事では取り上げられない、(根拠のある)推測や期待、主張なども引き続き記していきたいと思いを新たにしております。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年06月23日0時~06月30日14時)
第1位
航空会社満足度、1位はJAL、2位はANA-エイビーロード調査(17/06/28)

第2位
クオニイ、JTB傘下も「変わらない」、欧州以外の強化も継続(17/06/26)

第3位
エアアジアX、関空/HNL初便は搭乗率89%-JTBなどが商品(17/06/29)

第4位
てるみWG、ボンド保証の加入義務化も視野に、次回取りまとめ(17/06/25)

第5位
スカイスキャナー、「サービスの個人化」重視、近日中に新機能(17/06/28)

第6位
東武トップ、平昌五輪ツアー第3弾、フィギュアスケートを観戦(17/06/28)

第7位
旅行業公取協、てるみ問題受け「消費者の信頼回復へ」(17/06/27)

第8位
外務省、フィンランド・フィリピン・米国にテロ注意喚起(17/06/25)

第9位
日本航空、新仕様のB787-9導入、クアラルンプール線から(17/06/25)

第10位
JTB、平昌五輪ツアーの第2弾を発表、フィギュアなど4コース(17/06/25)