求人情報

「危機管理広報」でピンチをチャンスに-JATA経営フォーラムから

  • 2017年4月12日

講演に加えて模擬訓練を実施
田川会長「ネット時代に即した広報を」

適切な対応で2次被害防止へ
「晒されても良い説明」が必要に

関内氏  サン・クリエイティブ・パブリシティの関内氏は、「広報対応ミスによる二次災害を防ぐ ~言うべきこと、言えること、言えないこと~」と題した講演を実施。「外部対応の前線にメディアがいる」との前提のもと、さまざまなメディア対応策について説明した。

 関内氏は冒頭で、メディアの基本的な習性として「抜いた・抜かれたがモチベーション」「終わった話よりも進行中の不確定な問題に興味がある」「手ぶらではなく、情報を土産に持ち帰りたい」「締め切りが波状的で、常に時間に追われている」などを列挙。その上で「記者は世間の代表であり、侮らず、おもねらず、敬意をもって良き読者・視聴者として対等の関係を構築すべき」と呼びかけた。

 取材の際の留意点としては、「個人的見解は言わない」「質問は最後まで聞く。食い気味の返答は損をする」「オフレコは通用しない」「守秘したいことは理由を添えて話せない旨を伝える」「不要な議論は避ける」など10の留意点を紹介。対応を間違えば「組織の体質などを問題視するような、実態よりも悪い印象を与える報道」などの2次災害につながると警告した。2次災害の防止に向けた基本的な心構えとしては、対応の遅れや隠蔽体質、責任逃れなどを避けることを挙げた上で、常に「報道を拡大させない、長引かせない、事件にしない」の3点に努めるよう強調した。

 また、三隅氏と同様に、近年はインターネットの発達により「初期対応からの一部始終がネットに晒され、記録される時代になっている」と指摘。トラブル発生時には、記録されて晒されても良い、フェアで論理的な説明や対応が必要になるとし、記者会見に際しては情報を、言わないと社会的な信頼を失う「言うべきこと」、積極的に表明することではないが説明責任に応えるべき「聞かれたら言えること」、言う立場や状況にない「言えないこと」の3つに分類しておくことが重要との見方を示した。