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週間ランキング、1位は訪日4000万人、海外PKG特集も

[総評] 今週の1位は、政府が「明日の日本を支える観光ビジョン-世界が訪れたくなる日本へ-」を策定したことをお伝えした記事でした。同ビジョンでは、2020年に訪日外客数4000万人をめざすなど、挑戦的な目標を掲げています。

 現在の観光立国推進基本計画では、2020年初めまでに2500万人とすることを念頭に2016年は1800万人をターゲットにしていますが、すでに2015年で1974万人を達成するなど絶好調であることは周知の通りで、上方修正は当然でしょう。

 とはいえ、東日本大震災の発生直後の記事を読みかえしてみると、当時の目標であった2019年2500万人の達成すら危ういという空気感が思い出され、隔世の感に改めて驚きを禁じえません。当時4000万人を主張したとしても、あまりの現実味のなさに失笑を買っていたのではないでしょうか。

 もちろん、実際に4000万人をめざそうとすれば宿泊施設のキャパシティなど課題は山のようにありますし、ビジョンに盛り込まれた施策がすべて実現でき、しかも期待通りの効果を発揮することはないでしょう。しかし、この5年での変化を思うと、そうした目標を掲げられるようになったことだけで喜ばしく感じます。

 一方、長く厳しい冬が続いているのが海外旅行で、今回のビジョンの中でも扱いは非常に小さく、今週のランキングの他の記事を見ても春の予感はありません。4位には全日空(NH)のブリュッセル運休延長が入っていますが、空港機能の完全復旧はかなり先でしょうし、需要の回復に至ってはまったく見通せないというのが実情でしょう。

 ただ、海外旅行関連で個人的に一つ嬉しく思ったのは5位の記事がランクインしたことでした。海外旅行の上期ホールセール商品の動向をお伝えしたものですが、旅行業界誌としてこうした記事が読者の皆様からご支持いただけているということは、それ自体が復活への萌芽と感じられます。

 以前から何度も書いていますけれども、海外のお客様をお呼びし満足していただくためには海外のお客様の視点で考えられることが必須であり、海外旅行はそのための最も簡単で楽しく効果の高い方法です。

 ほんの一例を挙げれば、自分が海外で感じた不便は外国人が日本で感じる不便に通じる可能性が極めて高いのです。また、海外の良さを知らずして日本の良さを理解しようとするのは片手落ちです。

 その意味では、猫も杓子もインバウンドに目を向ける今こそ海外旅行の意義が浸透する絶好の機会です。今ご覧のページの右上部には優待情報というコーナーがありますが、様々なサプライヤーから旅行業界関係者向けにお得なプランが提供されています。こうしたものもご活用いただき、インバウンドに関わる方こそ積極的に海外を訪れていただきたいと願っています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年03月25日0時~04月01日20時)
第1位
政府、20年の訪日客数を4000万人に-「観光先進国」へ(16/03/30)

第2位
KNT-CT会長に小林氏、KNT社長に田ヶ原氏、UT社長に山本氏(16/03/30)

第3位
16年GW海外1位は台湾、豪州が上昇、国内は北海道-JATA調査(16/03/29)

第4位
全日空、ブリュッセル線運休を延長、ドイツに臨時便(16/03/28)

第5位
ツアー商品独自の企画力で勝負-ホールセール特集(2)(16/03/29)

第6位
JTB・KNT・東武トップ、東京五輪の公式パートナーに決定(16/03/31)

第7位
主要49社、1月の海外旅行は8.1%減、14社が前年超え(16/03/27)

第8位
JTB、ふるさと納税でポータルサイトと提携、旅行で地方創生(16/03/27)

第9位
スカイマーク、再建に向け新中計、国際線チャーターに意欲(16/03/28)

第10位
中部、LCC用新ターミナル開業へ、19年度上期に(16/03/31)

※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
春闘:日本旅行(16/03/27)
春闘:JTBグループ5社、東武トップツアーズ(16/03/29)
人事、ANAHD管理職、組織改正も-4月1日付(16/03/28)