印ケララ州、単独セミナー初開催、日本へのアプローチ強化

  • 2015年10月26日

セミナー終了後の商談会の様子  インドのケララ州政府観光局はこのほど、都内で観光セミナー「ケララ・ツーリズム・ロードショー2015」を開催した。同州が日本で単独のセミナーを開催するのは今回が初めて。この日は現地のリゾート施設、アーユルヴェーダ施設、ツアーオペレーターと、エア・インディア(AI)の計9社が参加した。同州はインド南西部に位置する広さ約4万平方キロメートル、人口約3200万人の州で、インドの伝統医療であるアーユルヴェーダの発祥の地として知られるほか、水郷地帯でのハウスボートによるクルーズが観光客の人気を集めている。

インド政府観光局のビデーシャ・セングプタ氏  冒頭で挨拶したインド政府観光局東アジア地区総局次長のビデーシャ・セングプタ氏はこれらの魅力に加えて、「同州は緑が豊かで、食やショッピングの面でも素晴らしい」とアピール。また、同観光局が単独でセミナーを開催したことを「とても意義がある」と評価し、今後の日本の旅行会社との関係強化に期待した。

ケララ州政府観光局アディショナル・ディレクター・ジェネラルのアヌパマ・テッキンカット・ヴァドゥックート氏  ケララ州政府観光局アディショナル・ディレクター・ジェネラルのアヌパマ・テッキンカット・ヴァドゥックート氏は、同州が近年、外国人旅行者の誘致に力を入れていることを説明。ケララ州の面積はインドの総面積の1.2%に過ぎないものの、インドを訪れる外国人旅行者の12.3%が訪れていることをアピールし、外国人旅行者数は2011年の73万2985人から14年には92万3366人へと約26.0%増加していることを強調した。日本人は09年の6975人から14年には8785人へと、5年間で25.9%増加しているという。

 観光資源としてはクマラコムやアレピー、クンバランギなどの水郷地帯とハウスボートのほか、アーユルヴェーダ施設などを紹介。特にアーユルヴェーダについては、約750の診療所、800の登録医薬品製造所、1万2000人以上の医師を擁し、厳しい評価制度を設けて質の向上に務めている旨を説明した。

 そのほかには、ツーリストポリスの配置などによる治安維持の取り組みなどについても触れ「女性の1人旅や高齢者の旅行も安心してできる」とアピールした。アクセスについてはAIをデリーで乗り継ぐ方法に加えて、シンガポール航空(SQ)で州都コーチなどに入る方法を示した。

 同観光局のマーケティング業務を担うスターク・コミュニケーションズ社によれば、日本人旅行者で最も多いのは、美容や健康などに対する関心が強い30代以上の女性で、今後もターゲットととして注力する。15年の日本人旅行者数については前年比10%増を見込むが、16年からはメディアを活用したキャンペーンも開始して、20%増を目標に掲げる。

 なお、この日のセミナーと開催日が近かったことから、同観光局は今年のツーリズムEXPOジャパンには出展しなかったが、来年には出展を再開し、あわせてセミナーも開催する考え。来年のセミナーは大阪で開き、その翌年は東京と、2都市で交互に開催したいという。