KNT-CT、第2Q売上高は0.9%増、クラツーと団体牽引

  • 2014年8月13日

 KNT-CTホールディングスの2014年12月期第2四半期(2014年1月1日~6月30日)の連結業績で、売上高(※総額)は、前年比0.9%増の2022億7600万円となった。営業損失は宣伝費などの営業費用の増加により、前年の10億100万円から11億3000万円へと拡大した。

 経常損失は、為替差損が前年は5億1500万円だったところ、今年は1400万円に減少したこともあり、前年の14億3200万円から9億8400万円に改善。純損失は、厚生年金基金の脱退に伴い1億600万円の特別損失が発生したことなどから、前年の10億5100万円から12億5700万円へと拡大した。

 KNT-CTホールディングス常務取締役の中辻康裕氏によると、海外旅行者数は東アジア情勢や円安傾向の影響で減少。とくに韓国はフェリー沈没事故もあり「相当低い状況」で、中国も「若干戻ってきているが、個人のお客様がいっていただけるというわけではない」という。国内旅行は京阪神方面の旅行者数が増加。一方、東京ディズニーランド30周年効果が落ち着いた首都圏や遷宮効果が一巡した東海・山陰方面は厳しい状況だという。

 事業分野ごとでは、近畿日本ツーリスト個人(KNT個人)、近畿日本ツーリスト個人旅行販売(KNT個人販売)、クラブツーリズム(クラツー)の「個人旅行事業」は、売上高が0.9%減の1173億4900万円、営業損失は14億8700万円(前年:11億6600万円)となった。

 KNT個人単体では、売上高が16.5%減の約381億円、営業損失が約7億円で、前年から1億9000万円改善した。KNT-CTホールディングス取締役の中村哲夫氏によると、KNT個人の減収要因は、ホリデイで廉価で価格訴求型の商品を減らしたため。中村氏は「価格訴求商品を差し控えて、価値訴求商品に転換をはかっている」とし、「安売りしないことでの減収」と語った。安売り控えに加え、コストの見直しによる効率化などで営業損失は減少しており、「会社としては改善している」との考えだ。

 また、KNT個人販売も売上高が1.1%減の約32億9000万円となったが、営業損失は約10億8000万円で、前年から2億4000万円改善した。KNT-CTではすでに赤字の店舗を整理したところ。現在店舗の専門店化を進めており、今年3月にはあべのハルカスに海外旅行専門店を開業している。中辻氏は、「今後は新宿や名古屋にも専門店型店舗をやっていきたい」考えを示した。

 一方、クラツーの売上高は、国内旅行を中心に2月の大雪の影響もあったものの、海外旅行が堅調に推移し8.9%増の約782億円。営業利益は約3億円で、CMを積極的におこなったことなどによる宣伝費の増加などで、前年から7億円の減少となった。中村氏は「クラツーは堅調に経営が進んでいるが、認知度はKNTに比べて落ちる」とし、「認知度を何とか高めたいので、積極的なテレビ宣伝を展開している」と説明。今後も経営状況を勘案しながら実行していく方針だ。

 また、近畿日本ツーリストの「団体旅行事業」では、売上高が6.3%増の512億3300万円、営業利益は4.1%減の6億3200万円。国内、海外ともに取り扱いが増えており、堅調に推移しているという。