“地旅立国”へ-国内観光活性化フォーラム開催(1) ごあいさつ-ANTA会長・二階俊博氏

 国内観光活性化フォーラム(主催・全国旅行業協会)と地旅博覧会(同・全旅)が2月11日、和歌山市で開かれる。全旅協会員が一堂に会し業界内外への着地型旅行、地旅の啓蒙、普及の場となったフォーラムは今回で節目となる10回目。そこで、業界団体のトップから寄稿いただいた。また各地の着地型旅行の取り組みも「地旅特集」として紹介する。

業界発展へ会員の力を結集

 「第10回国内観光活性化フォーラムin和歌山」および「地旅博覧会」が私の郷里である和歌山県で開催されることを心から嬉しく思います。

 和歌山での開催にあたっては、仁坂吉伸和歌山県知事とともに、和歌山県のすべての市町村をはじめ全国の機関・団体の皆様方、協会の会員の皆様のご熱意をいただいております。

 和歌山県は、豊かな自然、文化、歴史のあるところですが、特に2014年は熊野古道が世界遺産に登録されてから10周年を迎え、15年には高野山が開山1200年を迎える記念すべき年にあたります。

 また、アジアとの関係に目を向けてみますと、韓国とは紀州の雑賀鉄砲衆の頭領の孫市の子どもである孫市郎が韓国に渡り、帰化して「沙也可」と呼ばれ、将軍になり、その子孫が現在、数千人いると言われています。中国とは今から2200年ほど前に秦の始皇帝の命を受け、徐福が不老不死の霊薬を求めて熊野に渡来し、この地に農耕、漁法などの技術を伝えたと言われており、新宮市の徐福公園の中にお墓があります。

 また「住んでよし、訪れてよしの国づくり」の観光立国の実現に向けて実質的な施策が推進されているところであり、その中で旅行業界としても競争力を強化し、魅力ある旅行商品を提供していくことがますます重要な課題となってきております。そのためには、当協会の会員が地元の観光関係者と連携し、地域の歴史や伝統を含む特色ある産業の魅力などを活かした新たな旅行商品をつくり、全国の会員のネットワークを生かして共同で送客する「着地型旅行」を推進することが重要であると考えます。

 こうした中で、03年度より各地域にて開催しております国内観光活性化フォーラムは今年度、第10回目という記念大会であります。フォーラムを通じて、地元の観光関係者と当協会の全国の会員との協力関係を強い絆で結ぶとともに、互いに国内観光の活性化と地域振興、さらには海外との人的交流がますます盛んになるようさらに努力をしてまいりたいと考えております。

 また、今回のフォーラムには、中国および韓国などからも多くの方々に参加していただいております。特に、韓国からはアシアナ航空のチャーター機にてソウルから白浜空港へ、その帰りの便に子どもたちをソウルに招待し、韓国の子どもたちとの交流会を行うことなどを計画しています。同じようなことを中国との間においても話し合っています。隣国の国民同士が双方向の交流を通じて、深い絆で結ばれることが何より重要だと思っております。

 旅行業界、観光業界のますますの発展を祈念するとともに、フォーラムにご参集の皆様のご健勝とご繁栄をお祈りし、私のあいさつとさせていただきます。

 

情報提供:トラベルニュース社