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ハワイ200万人に向けMOU、コナ線復活や事前入国審査めざす

  • 2012年10月21日

(左から)HTA理事会議長のロナルド・ウィリアムズ氏、JATA海外旅行推進委員会副委員長の林田建夫氏、HTAプレジデント兼CEOのマイク・マッカートニー氏(ホノルル発:本誌 松本裕一) 日本旅行業協会(JATA)とハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)は現地時間10月18日、ホノルルで日本ハワイ観光協議会(JHTC)の年次会合を開催した後、2016年にハワイへの送客200万人をめざす覚書(MOU)を締結した。2013年1月1日から正式に取り組みを開始し、目標達成に向けプロモーションを強化する。

 HTAプレジデント兼CEOのマイク・マッカートニー氏は、MOUについて「紙の上での約束だけでなく、(日本との)絆を深めて行くためのもの」とコメント。1964年の日本の海外旅行自由化から5000万人の日本人がハワイを訪れていることについて「心温まる思い」とした上で、日本とハワイの繋がりを「次世代につないでいく強い責任を感じている」と語った。

 また、JATA海外旅行推進委員会副委員長として日本側の団長を務めたエヌオーイー(NOE)代表取締役の林田建夫氏も、旅行業界での43年の経験として、「ハワイは日本人の感性からして、最も好きなデスティネーションであると確信している」と言及。その上で、「今後3年間で1000万人近い団塊の世代が完全にリタイアする。(若年層を含めて)プロモーションしていけばチャンスはある」と強調した。

 MOUの締結に先駆けておこなったJHTCの会合では、ショルダーシーズンの需要喚起やファーストタイマーの獲得、地方市場の活性化、隣島への旅行促進、MICEの拡大などについて議論。「新世代のOL」層の獲得や修学旅行への注力、新しいアイコンの確立、旅行会社店頭スタッフの教育、隣島へのアクセス改善などに取り組む方針を確認した。

 MOUではこうした結果を踏まえ、各種の施策を実行していく。HTAバイスプレジデント・ブランドマネジメントのデイビッド・内山氏は、2013年のJHTC会合までに実現したいこととして、コナ線の復活と事前入国審査(プレクリアランス)を列挙した。

 コナ線については、ハワイアン航空(HA)が羽田からの就航を申請しているところだが、これについては「難しいかもしれない」としつつ、「他の可能性もある」と説明。従来から働きかけている日本航空(JL)や全日空(NH)、またLCCの誘致を含めて積極的に活動していく考え。路線関連では、仙台線復便の可能性も見えているという。

 一方、プレクリアランスはカナダから米国への入国で実施されているもので、出発空港で入国審査をおこなう仕組み。到着後にスムーズに入国できるメリットがあり、日米政府間の交渉が必要となるものの、実現をめざす。

 すでに、民主党の前原誠司氏が国土交通大臣を務めていた際にも説明しているほか、成田空港からは前向きな姿勢が示されているという。米軍基地からの出発など、「ワイルドなアイディア」を含めて様々な可能性を協議していく方針。

 なお、このほか旅行業界向け優待プログラム「マハロ・マンス」や、旅行業界向け教育プログラムの充実もはかっていく計画だ。