年頭所感、新たな時代への対応、意識改革を-大手各社トップ

  • 2012年1月6日

旅行会社や航空会社などのトップが年頭所感を発表した。今年は、昨年の震災からの復興への一助を担う意欲とともに、到来する新時代への対応をかかげる内容が多い。特に、社内での年頭挨拶での内容は、社員への意識改革を促し、一丸となってこの局面を乗り越えていこうとの呼びかけが目立った。各社トップが発表した年頭所感、年頭挨拶をまとめた。

▽ジェイティービー
代表取締役社長 田川博己氏

「新たな100年の最初の年」



ジェイティービー代表取締役社長 田川博己氏  世界の人口は70億人を越え、アジアを中心に交流人口が増加し続ける中、経済や地域活性の課題解決にツーリズム産業への期待が高まりつつある。2012年は潜在需要の大きいアジア市場の開拓に着手する。

 一方、国内では東京スカイツリーの開業、国内線LCCの就航、ロンドン五輪の開催い、日中国交正常化40年を控え、新しい交流促進が期待される。円高基調は引き続き海外旅行の追い風になると想定している。インバウンドは原発事故により大きな影響を受けているが、「訪日客が増える」状況は復興の象徴。復興を実感できるよう、早期に被災地のツーリズム産業を復活させることが必要だ。

 当社は3月12日に創立100周年を迎える。新たな100年の最初の年として、交流の創造と促進を、地域のレベルからグローバルなレベルへと、さらに展開していく。


▽エイチ・アイ・エス
代表取締役社長 平林朗氏

「“アジア大旅行時代”の本格的な幕開け」


エイチ・アイ・エス代表取締役社長 平林朗氏  昨年は日本全体が未曽有の危機に見舞われた。一方で、世界の各国からも多くの支援をいただき、旅行業が世界を繋げる一翼を担っていることを誇りに抱くことのできた年でもあった。2012年はLCCの新規就航やロンドン五輪といった世界規模のイベントなどが、市場活性化の明るい材料となるだろう。

 世界に目を向けると、「アジア大旅行時代」の本格的な幕開けといえる。訪日旅行者数も、旧正月から今春にかけて回復するだろうと期待されている。海外116拠点のネットワークとノウハウを活用し、日本だけでなく世界の旅行者のニーズに応えるための進化・発展にスピードをもって取り組んでいく。

 2月29日よりHTBクルーズ「オーシャンローズ」の長崎/上海間の就航も予定しており、アウトバウンドだけでなく完全回復が期待される訪日旅行市場のさらなる拡大にも寄与したい。