現地レポート:マカオ、メガホテルがリードするMICEとエンターテイメント

  • 2011年9月1日

MICEデスティネーションとしてのマカオ
メガホテルのリードで施設、エンターテイメントが充実

ホテルから一歩も出る必要がなく
24時間娯楽が続くメガホテル

ベニスの街並みを模したショッピングアーケードは、建物の中とは思えない規模  ヴェネチアン・マカオには、10万平方メートル、350店舗以上のショッピングアーケード「グランド・カナル・ショッパーズ」がある。ホテルの名前の通り、コンセプトはイタリアのベニス。館内には運河があり、ゴンドラが行き来する。ときどき大道芸人まで出没するという、規模も内容も、まさにベニスの街そのものを再現しているのだ。スパ施設は1万5000平方メートルで、58室のトリートメントルームと医療施設を併せ持つ世界最大級の「マロ・クリニック・ヘルス&ウェルネス」だ。

「マロ・クリニック・ヘルス&ウェルネス」のトリートメントルーム。58室の個室と、医療設備も整う   歯学部出身の医師、パウロ・マロ氏が代表を務める、ウェルネスとメディカルを併せもつ施設で、2011年8月現在、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、アジアに計17施設がある。マカオはアジア唯一の施設で、口腔外科や美容整形も併設。スパというと女性のイメージが強いが、同施設ではビジネスでマカオに滞在する男性の利用が多いという。性別を問わず、人間ドッグなどの体調管理やダイエットといった、メディカルを目的としたツアーを組むこともできる。

「アイス・ワールド」の彫刻のひとつ、北京の天壇公園 このメガホテルに、2011年5月14日にオープンしたのが、「アイス・ワールド~彫刻が施されたカラフルな氷が魅せる華々しいワンダーランド」。9月18日までという期間限定の屋内テーマパークで、1700平方メートルのエキシビションホールをマイナス15度の氷の世界に変身させた。氷のテーマパークとしては世界最大だという。

テラス席もある「ポルトフィーノ」の前菜の盛り合わせ。2011年5月にオープンしたばかりのイタリア料理レストラン  それらの彫刻は、49人の氷彫刻職人が、9000個の氷のブロックを削って創ったもの。9つのテーマに分かれていて、中には世界遺産や世界各地のランドマーク、マンモスもあるアイス・エイジ・ファンタジー、7メートルもの滑り台があるキッズ・パラダイスなどがあり、最後には飲み物を提供するアイスバーもある。入口ではフード付きダウンジャケットの貸し出しもあるが、マイナス15度のなかゆっくり彫刻鑑賞をしているとあっという間に手がかじかんでくるので、中が人で混雑することはない。マカオの夏は暑いだけに人気を呼んでいる。

 そして、24時間稼働しているカジノとともに、カジノ内のレストランも24時間営業。ホテル館内から外に出ると、あっという間にカメラのレンズが曇ってしまってしばらく撮影ができないほど、館内と屋外の温度差があり、適温に設定されたホテルは過ごしやすい。24時間外に出る必要がなく滞在を楽しむことができるのは、顧客満足度と消費単価の向上をめざし、すべての消費をホテルの売り上げとするホテルの戦略としても成功している。