上海市、万博後の新素材と企画提案、シニア向け文化交流や「春節」旅行も

セミナーでは、上海国旅国際旅行社日本中心副総の王斌氏が上海万博後の上海市について紹介。それによると、万博の際に建設された建物のいくつかが永久保存されることになっており、これからの観光名所として活躍する予定だ。中でも、万博中も人気が高かったという中国国家館が保存され、12月1日から2011年5月31日までの間は、万博当時と同じ姿のまま有料で一般公開される。その後は中国文化博物館としてリニューアルされる予定だ。
万博センターやテーマ館も、大型展示場や会議施設として利用される予定。さらに川沿いの広場なども公園として整備される。王氏はまた、これまでも人気のあった新天地に加えて、新外灘、老碼頭地区など、おしゃれでモダンなイメージの上海も紹介。万博後の“新生”上海をアピールした。なお、話題になっている上海ディズニーランドについては、現在のところ2014年の完成予定だが、早ければ2012年にも竣工・開業できる可能性があるという。

次に、上海市旅游局主席顧問の岡本義正氏が登壇し、ポスト上海万博の新企画への提案を行った。岡本氏によると、中国でもアクティブシニアの数は拡大しており、老年学校と呼ばれる学校で絵画や語学、習字などの余暇を過ごす人が増えている。岡本氏は日本のカルチャースクールなどで学ぶシニア層から、「発表の場がほしい」という声をよく聞くといい、上海でこうした老年学校などを訪れ、現地の人々と交流しつつ、日ごろのレッスンの成果を発表する場を提供する案を提示した。
また、春節(旧正月)をテーマにした商品を取り扱う日本の旅行会社が少ないことをあげ、「春節にはホテルや航空便があまり混んでおらず、値段も通常通り。人々は爆竹や花火などで派手に春節を祝い、とてもにぎやかでうきうきした1年の始まりを体験できる」といい、企画を促した。ただし、レストランは大変にぎわうので事前手配が必要という。