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ポーランド、ショパン年で訪日客数増加、「ショパンのワルシャワ」アピール

  • 2010年9月30日
 ポーランド政府観光局によると、ショパン生誕200周年にともない、今年1月から6月の日本人観光客数は、対前年同期比33%増にあたる2万人前後を記録したという。しかし、日本局長のマリウシュ・ワタ氏は「この統計はあくまでも速報。実際のチャーター数やツアー実施数を考えれば実情はこれを上回っているのではないか」と、日本人客の好調さを示唆。7、8月にはポーランド航空(LO)が地方空港発4便を含むチャーター便7本を運航しており、今後秋にはショパンコンクールが開かれること、またショパン関連のイベントが年内いっぱ開催されることなどから、今後もさらなる日本人客の増加が期待できるという。

 またワルシャワ市観光局は今後、同市を「ショパンのワルシャワ」としてピーアールしていく。ショパンが39年の生涯のうち20年間という最も長い時間を過ごした同市には、作曲家の住んだ家や学校、演奏会が開かれた館や宮殿、心臓が収められた聖十字架教会、フレデリック・ショパン博物館など、数多くの足跡や縁の地が残されており、同市を代表する素材として広くアピールしていく。特に日本をはじめフランス、ロシア、中国、アメリカといったショパン人気や関心の高い5ヶ国を重要市場と位置付け、プロモーション活動を展開していく。

 そのピーアールの一環として日本語のワルシャワ観光やショパン関連のパンフレットを作成し、充実させていくほか、ウェブサイトやモバイル上でのコンサートやイベント情報を逐次発信していく予定だ。また市内の4ツ星クラス以上のホテルや有名レストランなどとタイアップして、ショパンが好んだという料理を揃えた「ショパンメニュー」の提供も実施するという。

 ワルシャワ市観光局長のバルバラ・テキエリ氏は「日本でのショパン人気は非常に喜ばしい。このショパン生誕200周年を機に、ワルシャワを“ショパンの街”と位置づけて日本市場に強くアピールしていきたい」と語る。またポーランド政観日本局長のワタ氏も「ショパン年を機会にフレデリック・ショパン記念館がリニューアルされたり、歩道や建物が整備されるなど観光インフラが向上した。この記念年を新たなスタートの年と捉え、今後も日本人客増加に向けて取り組みたい」と語った。