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全日空も成田・関空路線の休減便など検討−緊急収支改善策を策定

  • 2009年7月2日
 全日空(NH)は、事業計画を修正し、需要に応じて休減便を実施する方針だ。景気低迷や新型インフルエンザなどの影響で航空需要が減退するなか、7月1日に「09年度緊急収支改善策」を発表。これは、需給適合の強化、人件費の削減などによる生産量に応じた柔軟な費用圧縮、一般調達コストの削減、新たな有料付加価値サービスの導入を骨子としている。

 休減便については、国土交通省が発着枠に関する規制「U/L(Use it or Lose it)ルール」を一時停止したことを活用する方針。このルールの一時停止は需要低迷によって航空会社の経営が圧迫されることに配慮し、減便や運休をしやすくしたもので、成田と関空が対象。すでに日本航空(JL)はアジア方面の8路線での休減便を決定している。

 NHでは、路線の見直しは現在詳細を検討中であるものの、「“緊急”収支改善策である以上、関係各所との調整が終わり次第速やかに実施する」(NH広報室)方針だ。成田と関空に限らず、すべての路線について可能性を検討する。一方、費用圧縮では2010年度以降の費用抑制施策の前倒しなどを検討しているものの、人員削減などは現在のところ考えておらず、給与の削減などを進める方針だ。

 このほか、新たな有料付加価値サービス「Pay for Value」の導入では、国際線を中心に新しく付加価値サービスを導入して有料化することや、国内線でもサービス内容の見直しなどを予定する。

 なお、NHでは、需要減退によって第1四半期は当初計画よりも約300億円程度の減収となる可能性があるという。しかし、新型インフルエンザによる影響の緩和に加え、景気回復の兆しもあることから、旅客需要は下期から回復に向かうと見込んでおり、業績予想の修正は予定していないという。


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