JTB各社、関西のインフル影響リカバリーめざす−秋の連休は予約好調

  • 2009年6月10日
 ジェイティービー(JTB)グループ各社が、新型インフルエンザからのリカバリーに向けてキャンペーンや価格訴求商品の投入などの施策を開始した。特に影響の大きかった関西地域に向けて、JTB西日本が「元気でっせ!関西」のキャンペーンを開始。これは関西発着の国内、海外旅行商品を店頭、渉外営業両面でプロモーション展開するもので、近畿2府4県で実施し、2万名の販売をめざす。また、るるぶトラベルとJTBのウェブサイトでも支援策を実施中だ。いずれも価格訴求の側面が強いが、企業・組織向けに関西の温泉地でのミーティングを提案し、各企業・組織の閉塞感を打破して組織力向上を訴える施策も展開する。

 国内旅行に関する取り組みでは、「元気でっせ!関西」の一環で、京阪神を中心に各地の宿泊施設200軒以上と協力し、関西発のエースJTB「見たモン勝ち!元気でっせ!関西編」を展開。これは、すでに東日本発の商品も販売を開始しており、他地域発の商品も順次発売する予定だ。

 また、るるぶトラベルとJTBウェブサイトでは、新型インフルエンザの影響で発生したホテルや旅館の空室をウェブサイトで再販売する。宿泊施設側に空室のある日の希望販売価格を登録してもらい、オンラインで販売。宿泊施設は関西圏が中心だが、関東圏や中京圏を含めて約100施設を取り扱う。JTBグループのウェブサイトだけでなく、提携するYahoo!トラベルとYahoo!ビジネストラベルでも販売するため、掲載サイトは合計8サイトになる。

 海外旅行では、JTB西日本が「元気でっせ!関西」キャンペーンの一環として、価格訴求商品を用意。また、企業や組織向けに期間限定で関空発の「元気でっSALE!」も設定した。渉外営業担当者が、企業や組織のニーズに応じてオーダーメイドで対応する。旅の通信販売「旅物語」でも、「お散歩台北3日間」を1人1万9800円からの旅行代金で販売する。

 なお、JTB広報室によると、全社での取り組みは未定であるものの、今後も需要喚起を目的とした追加商品の投入などを予定しているという。


▽秋の5連休、関西発のルックJTBは185%増

 JTB西日本によると、9月19日から23日の5連休の予約が好調に推移している。5月22日現在、同期間のルックJTBの予約状況は日別前年対比で185%増で推移。また、16日と17日も300%増という。エースJTBは19日から23日が752%増など大幅に増加。JTB西日本では、新型インフルエンザによる旅行振り替えなどが要因と分析している。

 海外旅行の需要動向としては、申込者は家族層、熟年層、女性同士が中心。方面別では9月全体でハワイが25%増、ミクロネシアが41%増、ヨーロッパが42%増、アジアが135%増と人気が高い。中国も410%増となっているという。