日本航空、09年度はチャーターで100億円めざす−規制緩和の活用は検討段階

  • 2009年4月6日
 日本航空(JL)は2009年度、チャーター事業で前年比14.9%増の100億円の収入をめざす。昨年度は、約350本(往復ベース、以下同)を運航し、収入は約86億円となった。JL国際営業部路線販売グループ課長補佐の宮城孝浩氏によると、09年度通年の具体的な計画はまだ策定中。しかし、上期のパラオやアラスカの定期チャーターなどは固まりつつあり、円高や燃油サーチャージの減少を追い風にして本数も増加し、目標達成をめざす方針だ。

 上期のチャーター計画のうち、パラオは前年同期比1本増の36本を運航する予定。成田と関空は1本ずつ減少し20本と7本、中部は1本増の7本、福岡は2本を新規で設定した。契約する旅行会社が限られており新規契約はできていないものの、毎年新規の問い合わせが来るなど、反響は大きいようだ。一方、アラスカはクルーズを組み合わせたカナダとアラスカのオープンジョーが人気といい、フェアバンクスとアンカレジ行きが12本、クルーズの組み合わせが6本という。

 ヨーロッパは、6月から9月にかけて21本を予定。クロアチア、プラハ、ブタペスト、ザグレブ、ドゥブロブニク、リュブリャナ(スロベニア)など中欧・東欧が中心だ。また、アテネにも3本運航するほか、JTBワールドバケーションズがバルト3国のチャーター商品を設定することから、リガ(ラトビア)に2本設定。このほか、ゴールデンウィークには福岡と札幌、仙台からホノルル、中部からグアム、マカオ、ケアンズ、羽田からサイパン、福岡からデンパサールなどのチャーターも予定している。

 なお、昨年末にITCチャータールールが大幅に緩和されたが、この影響は現在検討中の段階だ。このため、成田空港のオンラインチャーターや、チャーター便の座席の個札販売などの方針も現在のところ未定という。


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