旅のテーマ:ヨーロッパ、川の旅(1)ローヌ川(フランス)

グルメと世界遺産が魅力のクルーズ

ローヌ川のクルーズツアーは数社から運航されており、コースは3泊から7泊のものが主流。寄港地はリヨン、アルル、アヴィニヨンをメインに、そのほか数都市を加えたものになる。ワインの産地を通るので、ワイナリーの見学をコースに組み込んでいるものも多い。
たとえばバイキングリバークルーズの「バイキング・バーガンディ号」の場合、リヨンから北へ約125キロメートルにあるシャロン・シュル・ソーヌで乗船。その後、ブルゴーニュ観光の中心地ボーヌ、リヨン、ビエンヌ、トゥルノン、ビビエ、アルル、アヴィニヨンに寄港する7泊のコースがある。船の全長は110メートル、乗客定員は154人。北欧調のインテリアで統一され、乗客全員がいっぺんに食事ができるレストラン、バーラウンジを擁し、快適な空間が用意されている。
寄港地の見どころ

山にも海にも近く、新鮮で良質な素材が手に入る地の利を活かし、伝統的な郷土料理はもとより、近郊に「ポール・ボキューズ」、「トロアグロ」など有名レストランを擁する「美食の都」としても有名だ。
船はリヨンから進路を南にとり、プロヴァンスのまぶしい光に迎えられながら、アヴィニョンへ向かう。14世紀に教皇庁が置かれ、「第2のローマ」として栄華を極めた町は、教皇庁宮殿をはじめ童謡『アヴィニヨンの橋の上で』で有名なローヌ川に架かるサン・ベネ橋、近郊には世界遺産に登録されているローマの水道橋「ポン・デュ・ガール」があるなど、見どころが満載。船を下りての観光もいいが、デッキから町の遠景を眺めるのも船ならではの楽しみだ。
アルルは、画家ゴッホが愛したプロヴァンスの町。ゴッホはその美しい風景に魅了され、わずか14ヶ月の間に300以上の作品を制作したという。円形闘技場や古代劇場など、ローマ時代の遺跡があり、これらは世界遺産にも登録されている。ローヌ川はこの後、手つかずの自然が残るカマルグを通り、地中海へ流れ込む。
寄港地でのエクスカーションや自由時間で陸上を観光したり、船からのんびり流れゆく風景を眺めて過ごすことができるのは、クルーズならではの楽しみ。朝の集合時間にあたふたすることもなく、移動のたびに荷物をパッキングする煩わしさもない。自分流に過ごせる休日ほど贅沢な時間はないだろう。
▽フランス政府観光局
http://jp.franceguide.com/
▽バイキングクルーズ
http://www.vikingcruises.com