スペシャリスト・インタビュー:グローバルユースビューロー 山本哲郎さん

予期せぬ素材を盛り込み、満足感を高め、リピーター育成へ

赤坂見附にあるグローバルユースビューローのオフィスでは、全社員がワンフロアで仕事をしています。各人に担当部署はあるものの、その時々で臨機応変に対応し、誰もが仕入れや企画、営業、添乗といった仕事に携わるという同社。営業部マネージャーの山本さんも、企画、説明会、接客、添乗などに日々奔走しているひとりで、今年で入社8年目を迎えます。2月下旬にも添乗でブダペストへ行ってきたばかりとか。高校生の時からドイツ語を学び、大学、就職先ともドイツに縁がある山本さんにお話をうかがいました。


株式会社グローバルユースビューロー 
営業部 マネージャー 山本哲郎さん
2007年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト 
ドイツ認定



Q.高校生でドイツ語を学ぶというのは珍しいですね

 誰もが英語を学ぶという環境の中、違う語学を選びたいと思ったのがきっかけです。なぜドイツ語かというと、通っていた高校にドイツ語の授業があったからなのですが。3年間ドイツ語を選択し、大学もその延長線で独協大学に進みました。就職は、ドイツ語を活かせたらと思い、グローバルに入社しました。

 実は高校3年生の時、大学入学前にドイツへ旅行したことがあります。これが私の初ドイツだったのですが、その時利用したのがグローバルの個人旅行でした。今思うとこれも何かの縁ですね。初めてのドイツでは、パンが美味しかったことと、ドイツ語がまったく通じなかったことが印象に残っています。


Q.そうした背景があってドイツのDSを取得されたのですね

 会社からそれぞれ得意方面のDSを受けるようにとのことで、ドイツを選び07年に取得しました。この資格を取ってみて感じたことは、取得してからがスペシャリストへの道のはじまりだということです。どこまで知識を深めたらスペシャリストと呼べるのかわかりませんが、例えばビールひとつをとっても、その歴史や種類などはたくさんあり、学ぶほどに深くなっていきます。


Q.ドイツの魅力はどのようなところにあると思いますか

 ビールやパンといった日常のものから車や機械まで、こだわりを持った職人たちがもの作りにしっかり取り組んでいること、環境に配慮したルール作り、時間管理の徹底などに魅力を感じます。皆さんがイメージするドイツの印象も、こだわりをもって作られたビールやパン、車などからきているのではないでしょうか。時間もきっちり守るので、ツアーでも個人旅行でも安心して旅することができる国のひとつだと思います。


Q.デスティネーションとしてのドイツの現状はどうでしょう

 旅行の目的地としてのドイツは、イタリアやフランスほど十分に確立されてはいないと思います。ロマンチック街道のヒットでデスティネーションとしての憧れを抱く方も増えましたが、次々に誰もが知るような魅力的なキーワードが出てこないのが現状です。しかし、ドイツには魅力ある素材がたくさんありますので、これらをもっとうまく表現していくことができれば、今後ドイツを訪れる方が増えていくと思います。


Q.グローバルのドイツツアーに特徴はありますか

 ドイツに限らず、ツアーを企画するのに一番大切なことは視察だと思っています。実際に私自身も自分の目で確かめ、ホテルやレストランもビューやメニューにこだわって選ぶようにしています。

 ドイツに関しては、ロマンチック街道などの知名度のある観光地でも、そのなかにプラスアルファを盛り込むようなツアーをご提案しています。例えば、4月、5月は旬の味覚シュパーゲル(ホワイトアスパラ)のシーズン。ドイツでは茹でてバターソースをかけたり、スープにしたりしてシンプルに楽しむのですが、ツアー行程にシュパーゲルを出すというように、思いがけないところで満足感を高める工夫をしています。ちなみに、日本では輸入により高級食材になってしまうのですが、このホワイトアスパラを紹介するカルチャーサロンも開いています。

 今後はこれまで通りドイツの良さを活かしながら、ホワイトアスパラのようなプラスアルファを紹介していくことで、お客様のドイツに対する印象を高め、リピートしていただけるような旅を提案していきたいと思います。この上期に設定した「ヨーロッパの古城都市に暮らす旅」シリーズの第一弾「ローテンブルク7日間」がまさにそれで、誰もが知る有名都市ローテンブルクを舞台に、全5泊ともローテンブルクに滞在し、渓谷ウォーキングやマイスターを訪問するといった個性的な内容に仕上げることができました。


ありがとうございました。


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