年間アクセスランキング−1位はアロハ運航停止、トップ10が業界の様相を示す
今年の特徴は、上位10記事にあらわれているようなランキングだと感じています。「航空会社の厳しい経営環境」、「ゼロ・コミッションの導入」、「旅行関連会社の倒産」、「航空自由化の効果」、「大手旅行会社の新経営陣」とおおむねこの5つの話題に集約された1年であったように感じます。
航空会社の経営環境の厳しさは、年間1位のアロハ航空の運航停止をはじめ、シンガポール航空の関空路線の運休、デルタ航空とノースウエスト航空の合併など、各社が生き残りをかけて動き出しています。市場環境が厳しいからこそ、様々な方策を打ち出してきた1年間だったと思います。ただし、この1年の環境は上半期と下半期では、様相が大きく異なります。上半期は燃油費の高騰が大きく影響し、旅行需要の低迷を招きましたが、下半期はリーマン・ショックを引き金とした世界経済の悪化が大きく影響しています。いずれにしろ、ビジネス・レジャーを問わず旅行需要の停滞感につながっており、旅行業界を取り巻く厳しさにもつながっています。
さらに、2009年4月から日本航空(JL)、全日空(NH)の本邦航空会社がゼロ・コミッションを採用することで、特にインハウス旅行会社への影響が及ぶことでしょう。先ごろ、MOツーリストと東レ・トラベルの協業体制が発表されましたが、インハウスの連携が模索されています。特に、インハウスであっても「フィー」を請求する、あるいは「フィー」の代替となるものを求める動きになっており、来年は本格的に「フィー・ビジネス」への移行が進むでしょう。ただし、この動きはMOツーリスト、さらにはエイチ・アイ・エスがATB清算にあたりコメントしているとおり、スケールメリットの追求へ波及し、この動きが先鋭化するのは、2009年の下期と思われます。
さらに、2010年に成田、羽田の発着枠拡大が実施され、その効果が通年化する2011年までこの動きが続くことと考えられます。この2年から3年に旅行業界の淘汰が起き、その中でスケールメリットと並走する動きで、いわゆる「付加価値」を追求したサービスが台頭することを期待したいと思います。個人的に、付加価値とは「お客様の気分を高揚させるサービス」だと考えています。高品質商品の販売において、付加価値が注目されていますが、安い商品であってもお客様に対して心地よく旅をしてもらうために考え抜かれたサービスが出てくると思います。その意味で、これからは中小規模の企業がその活動次第では、活躍する場が大いに出てくると考えます。規模の大きい会社だけが生き残るのではなく、動きの早い機動的、かつ温かみのあるサービスを提供する会社が大切にされる時代になるでしょう。
航空自由化も今後の大きな焦点です。ランクインしている香港との航空自由化の実現では、香港エクスプレス(UO)が日本各地に続々と就航。これまでにも増して、路線の就航、撤退と早い動きが目立ちます。また、韓国からは大韓航空(KE)の子会社ジンエアー(LJ)が今年にも乗り入れをめざしているほか、エア・アジア(AK)の動きも気になるところです。さらに先ごろ、チャーター便の規制緩和も国土交通省から通達されました。来年からチャーター便の利用が海外旅行にどのような影響をもたらすか、自由化の動きとあわせて大きな着目点です。定期便の減少によるレジャー需要への影響を考慮した施策といわれますが、レジャーにいかに結び付けるかは旅行会社の腕の見せ所。これこそスケールを意識したビジネス・チャンスといえるでしょう。
大手旅行会社の経営陣も新しくなりました。最大手のジェイティービーを筆頭に、近畿日本ツーリスト、日本旅行、エイチ・アイ・エス、トップツアーなど業界をリードする各社は、今まで以上にトップの決断が早くなりそうな予感がします。私はこれらの経営者は共通して、効率化、収益機会の拡大などを念頭に置きながらも、お客様をはじめ従業員の満足度を高めることを重視していると感じています。弊社ではスペシャリスト・インタビューで、現場で活躍する皆様をご紹介していますが、来年は「人」のもつ力を最大限に発揮できる機会になることと考えております。サービスをするのも人であれば、それを良いと感じるのも人です。旅行業では改めて、現場で働く人たちの活躍がカギになることと念じております。(鈴木次郎)
▽アクセスランキング・記事ランキング(2008年1月7日〜12月26日)
第1位
◆アロハ航空、旅客便の運航を停止、3月31日最後、ユナイテッド航空など支援(2008/03/31)
第2位
◆日本航空、4月からゼロコミッションへ−旅行業界の勢力図への影響は必至(2008/10/15)
第3位
◆発券手数料ゼロ−リテール含め流通激変、JTBは手数料収受の厳格化を検討(2008/05/28)
第4位
◆香港エクスプレス、沖縄を皮切りに岡山、鹿児島、広島、名古屋を定期便運航へ(2008/02/25)
第5位
◆HIS、ATBを清算、店舗・顧客対応・従業員を継承−スケールメリットでも「利」(2008/11/25)
第6位
◆シンガポール航空、路線網再編で関空/バンコク線運休−「過度な価格競争に勝者なし」(2008/04/04)
第7位
◆ジェイティービー、次期社長に現・専務取締役の田川博己氏が内定(2008/04/24)
第8位
◆エア・アジア、来年に就航か、市場低迷は価格「高すぎ」−旅行会社も重視(2008/09/19)
第9位
◆世界一規模の航空会社にやりがい−統合へ向けて日本市場でも本格始動(2008/11/10)
第10位
◆デルタ航空とノースウエスト航空が合併、新名称は「デルタ航空」に(2008/04/15)
第11位
◆ゴーイングの営業停止でeチケ控え所持も搭乗拒否が発生、被害240名の見込み(2008/02/08)
第12位
◆ビィー・フリー、民事再生法申請−負債20億、基幹ソフト改修時の支障懸念も(2008/03/31)
第13位
◆HIS平林社長、ゼロコミッションの対応急ぐ−航空会社は旅行会社の存在意義の再考を(2008/07/10)
第14位
◆全日空、新IT運賃の導入を決定−日本航空は一部で調整、外航は様子見か(2008/10/23)
第15位
◆アトムツアーが営業を停止、発券済み航空券のリファンド防止に動く(2008/05/14)
第16位
◆茨城空港、LCCを積極誘致、対応ターミナルに設計変更−エア・アジアXから好感触(2008/05/09)
第17位
◆日系2社、燃油サーチャージ値下げ、欧州、北米、豪州など1万1000円減に(2008/11/18)
第18位
◆全日空、来年上期から発券手数料を廃止−「対等な取引関係」に理解(2008/11/19)
第19位
◆エキスプレス・トラベル、清算申請へ−08年3月期赤字で好転見通せず(2008/11/17)
第20位
◆<続報>スワンナプーム空港、29日18時まで閉鎖決定−他国経由の帰国者も(2008/11/28)
第21位
◆ヒットトラベル、6月26日付けで東京地裁に破産申立(2008/06/27)
第22位
◆コンチネンタル航空、ユナイテッド航空と総合的な協力へ−スターアライアンス加盟計画も表明(2008/06/20)
第23位
◆全日空、関空の減便を説明−旅行会社は「ウェディングが伸び、売れていた」(2008/07/30)
第24位
◆全日空、10月以降の燃油サーチャージを一部値上げ−新路線区分と基準を適用(2008/08/19)
第25位
◆エア・パシフィック航空、日本路線の運航を停止−過去4年で19億円の損失(2008/11/04)
第26位
◆ジェットスター、成田線も旅行会社重視、QFと営業協力−東京支店長にAC中田氏(2008/07/15)
第27位
◆タイ国際航空、冬スケジュールから関空経由のロサンゼルス線を就航(2008/06/10)
第28位
◆全日空が1位、旅行会社は後退、100社中3社がランクイン−就職希望調査(2008/04/18)
第29位
◆ユナイテッド航空、7月から発券手数料3%に引き下げ−「ゼロ」時代が迫る(2008/05/07)
第30位
◆日本航空と全日空、バンコク発の臨時便運航を決定−29日から複数便の計画(2008/11/28)
第31位
◆新会社デルタ航空、統合効果でノースウエスト運休の成田/JFK線の復便視野(2008/04/16)
第32位
◆ゴーイング、2月1日付けで営業停止に(2008/02/06)
第33位
◆カンタス航空グループ、日本路線の座席数27%減−成田/ケアンズなどJQで代替(2008/06/06)
第34位
◆米国土安全保障省、日本含むビザ免除国に新制度導入へ−事前手続き必要に(2008/06/05)
第35位
◆ゲートウェイ21、本日にも東京地裁に破産申立を申請−海外での対応も懸念(2008/09/30)
第36位
◆新春トップインタビュー:エイチ・アイ・エス取締役会長 澤田秀雄氏(2008/01/10)
第37位
◆日本トラベル、破産手続開始決定−ANTAの認証申出開始、一部混乱が発覚(2008/09/26)
第38位
◆近畿日本鉄道、クラブツーリズム株式をファンドから取得−連結子会社化(2008/06/30)
第39位
◆燃油サーチャージ値上げ、旅行会社は「タイミングが悪い」と需要を懸念(2008/08/19)
第40位
◆デルタ航空、成田発着2路線就航、1路線増便−ニューヨーク線を復便(2008/11/14)
第41位
◆日本トラベル、9月9日付で閉業を通知−代理人調査の負債額は6000万円(2008/09/12)
第42位
◆全日空、燃油費込みの運賃表示へ−8月から順次、ツアーは09年4月開始(2008/07/31)
第43位
◆JTB、ジャルパックUSAなど買収、グローバル戦略の一環で海外発の取込み強化(2008/06/24)
第44位
◆ノースウエスト航空、10月1日から発券手数料を廃止−ゼロを旅行会社に通知(2008/05/27)
第45位
◆人事、JTBグループ会社役員、およびグループ会社個所長(2008/01/21)
第46位
◆大韓航空のLCC、2009年中に日本就航の可能性も−ブランド名はジンエアーに(2008/06/17)
第47位
◆日仏航空協議、欧の羽田乗入れ初合意−A380就航と関空増便も、AFは歓迎(2008/10/27)
第48位
◆スワンナプーム空港周辺のデモ、日本発バンコク便にも欠航、遅延など影響(2008/11/26)
第49位
◆トップインタビュー:エイチ・アイ・エス代表取締役社長 平林朗氏(2008/08/27)
第50位
◆トップインタビュー:トラベルズー代表取締役社長の武藤友木子氏(2008/10/29)
第51位
◆シンガポール航空、初就航のA380型機、荒天で中部にダイバート、日本発に遅れ(2008/05/20)
第52位
◆シンガポール航空、A380型機を5月20日から日本就航へ−成田便に投入(2008/03/13)
第53位
◆年頭所感−JTB、KNT、HIS、ジャルパック(2008/01/07)
第54位
◆ユナイテッド航空、来年4月1日から発券手数料を廃止−「変化のための準備」を(2008/07/07)
第55位
◆アリタリア航空、会社更生手続きへ−運航継続、日本線は現在、通常通り(2008/09/01)
第56位
◆ノースウエスト航空、ゼロコミッションにあわせコールセンターで手数料導入(2008/09/02)
第57位
◆全日空、新IT運賃に前向き−「徐々に進んでいる」(2008/07/16)
第58位
◆<続報>スワンナプーム空港、閉鎖は27日18時に延長−NH、JOが午前便欠航に(2008/11/27)
第59位
◆ノースウエスト航空、関西/デトロイト線を夏スケから運休へ−成田で乗継対応(2008/11/11)
第60位
◆エミレーツ航空、東京就航に自信、早期実現の希望をアピール(2008/09/22)
第61位
◆ゼロ・コミッションでインハウス業態の転機−企業情報扱う付加価値を強みに(2008/11/05)
第62位
◆エアライン満足度の総合1位はSQ、海外人気都市はウィーン−エイビーロード(2008/07/30)
第63位
◆燃油サーチャージは旅行代金の一部−国交省、通達案策定し総額表示推進へ(2008/06/13)
第64位
◆日通旅行事業部、旅行子会社を再編−NTSに統合、OTS、NNTは解散へ(2008/01/16)
第65位
◆ユナイテッド航空、台北線を運休、4月から全日空と共同運航へ(2008/01/25)
第66位
◆燃油サーチャージ、「高すぎる」「分かりにくい」−高額で行き先変更は35%(2008/08/21)
第67位
◆<続報>バンコク、日系2社の臨時便で約2400名が帰国−TG、SQも運航(2008/12/02)
第68位
◆HIS平林氏、「ビジネスモデルをゼロから見直し」−グローバル化基盤づくり(2008/03/03)
第69位
◆若者層の旅行活性化、「代金高すぎる」は「価格の価値が伝わっていない」ため(2008/10/22)
第70位
◆日本航空、国際線でアジア中心に22便増−運休は来上期分含め3路線21便(2008/08/07)
第71位
◆全日空、燃油サーチャージを値上げ−幼児は廃止も新IT運賃は継続検討(2008/05/19)
第72位
◆ノースウエスト・バーニアー支社長、現在の最善策を選択−手数料ゼロ導入で(2008/05/28)
第73位
◆日本航空、総額表示に「協力姿勢」−JTBは来年上期の導入に前進(2008/08/25)
第74位
◆ユナイテッド航空とコンチネンタル航空、DLとNWの統合を受け、声明を公表(2008/04/17)
第75位
◆オペレーターのエヌティエスインターナショナル、破産申し立てへ(2008/10/23)
第76位
◆JATA、サーチャージ値下げを航空局と日系2社に要望−1社は4月の見直し示唆(2008/11/20)
第77位
◆羽田/金浦線が定期便化、昼間12往復−関空/金浦線も実現−日韓航空協議(2008/08/18)
第78位
◆日本航空、大阪府に下期の関空線の増・減便を説明−近距離増便の活用策を(2008/07/25)
第79位
◆航空各社、6月からeチケット100%化へ−代理発券では対応分かれる(2008/05/30)
第80位
◆旅行各社で入社式−新社長訓示でHISは「挑戦」、KNTは「心」がキーワード(2008/04/02)
第81位
◆アロハ航空、運航停止の影響に業界からは懸念も−旅客部門の従業員解雇(2008/04/01)
第82位
◆国交省、燃油サーチャージの総額表示で通達を発出−約款改定が今後の焦点か(2008/07/01)
第83位
◆日本と香港の航空自由化、香港エクスプレスが那覇就航へ−鹿児島、岡山も検討(2008/02/04)
第84位
◆現地レポート、台湾−1泊2日ツアーの誕生で新市場創出に期待(2008/01/18)
第85位
◆アシアナ航空、関空/サイパン線に就航、関空/ソウル線を増便(2008/07/28)
第86位
◆国交相、羽田/欧米間の国際線を深夜便で容認へ−成田・羽田の一体運用で(2008/05/21)
第87位
◆旅行業倒産件数、7月は3件、宿泊業では負債総額10億円規模も(2008/08/18)
第88位
◆エキスプレス・トラベル、自己破産−JATA問合せは14日現在130名、2000万円(2008/11/18)
第89位
◆総額表示の対応に相違、各社の思惑様々−燃油サーチャージの急落で(2008/12/15)
第90位
◆海外に行かない理由は「不安感・負担感」、行きたい国は欧州など−国交省調査(2008/07/11)
第91位
◆タイ・デモ、TGは30日のプーケット便をバンコク着で対応−旅行会社は動向注視(2008/09/01)
第92位
◆観光庁、ゲートウェイ21倒産で関係者と連絡会議−説明会で新たな問題点も(2008/10/06)
第93位
◆主要旅行会社、6月の海外旅行は3.0%減−業務渡航、クルーズの伸びが顕著(2008/08/08)
第94位
◆アメリカン航空、UAに追随−1割ほどの影響も対応検討、次はGDS/CRSコストが焦点(2008/05/13)
第95位
◆JTB田川社長、次期中期経営計画は「新しいJTBのスタート」−将来左右する礎(2008/10/17)
第96位
◆JTB-BTS、ニッテツトラベルを吸収合併へ−4月からJTB-BTSに一本化(2008/01/31)
第97位
◆JTB、ウェブ事業の統括セクション設置−10月1日付で人事異動(2008/09/29)
第98位
◆ジェットスター、関空/ブリスベン線をゴールドコースト行きに変更−10月から(2008/05/21)
第99位
◆ビザまめ知識(4)−ビザ申請却下の事例と注意(その2)(2008/01/17)
第100位
◆エア・パシフィック航空、完全撤退でデスティネーションとしての地位に危惧(2008/11/05)
航空会社の経営環境の厳しさは、年間1位のアロハ航空の運航停止をはじめ、シンガポール航空の関空路線の運休、デルタ航空とノースウエスト航空の合併など、各社が生き残りをかけて動き出しています。市場環境が厳しいからこそ、様々な方策を打ち出してきた1年間だったと思います。ただし、この1年の環境は上半期と下半期では、様相が大きく異なります。上半期は燃油費の高騰が大きく影響し、旅行需要の低迷を招きましたが、下半期はリーマン・ショックを引き金とした世界経済の悪化が大きく影響しています。いずれにしろ、ビジネス・レジャーを問わず旅行需要の停滞感につながっており、旅行業界を取り巻く厳しさにもつながっています。
さらに、2009年4月から日本航空(JL)、全日空(NH)の本邦航空会社がゼロ・コミッションを採用することで、特にインハウス旅行会社への影響が及ぶことでしょう。先ごろ、MOツーリストと東レ・トラベルの協業体制が発表されましたが、インハウスの連携が模索されています。特に、インハウスであっても「フィー」を請求する、あるいは「フィー」の代替となるものを求める動きになっており、来年は本格的に「フィー・ビジネス」への移行が進むでしょう。ただし、この動きはMOツーリスト、さらにはエイチ・アイ・エスがATB清算にあたりコメントしているとおり、スケールメリットの追求へ波及し、この動きが先鋭化するのは、2009年の下期と思われます。
さらに、2010年に成田、羽田の発着枠拡大が実施され、その効果が通年化する2011年までこの動きが続くことと考えられます。この2年から3年に旅行業界の淘汰が起き、その中でスケールメリットと並走する動きで、いわゆる「付加価値」を追求したサービスが台頭することを期待したいと思います。個人的に、付加価値とは「お客様の気分を高揚させるサービス」だと考えています。高品質商品の販売において、付加価値が注目されていますが、安い商品であってもお客様に対して心地よく旅をしてもらうために考え抜かれたサービスが出てくると思います。その意味で、これからは中小規模の企業がその活動次第では、活躍する場が大いに出てくると考えます。規模の大きい会社だけが生き残るのではなく、動きの早い機動的、かつ温かみのあるサービスを提供する会社が大切にされる時代になるでしょう。
航空自由化も今後の大きな焦点です。ランクインしている香港との航空自由化の実現では、香港エクスプレス(UO)が日本各地に続々と就航。これまでにも増して、路線の就航、撤退と早い動きが目立ちます。また、韓国からは大韓航空(KE)の子会社ジンエアー(LJ)が今年にも乗り入れをめざしているほか、エア・アジア(AK)の動きも気になるところです。さらに先ごろ、チャーター便の規制緩和も国土交通省から通達されました。来年からチャーター便の利用が海外旅行にどのような影響をもたらすか、自由化の動きとあわせて大きな着目点です。定期便の減少によるレジャー需要への影響を考慮した施策といわれますが、レジャーにいかに結び付けるかは旅行会社の腕の見せ所。これこそスケールを意識したビジネス・チャンスといえるでしょう。
大手旅行会社の経営陣も新しくなりました。最大手のジェイティービーを筆頭に、近畿日本ツーリスト、日本旅行、エイチ・アイ・エス、トップツアーなど業界をリードする各社は、今まで以上にトップの決断が早くなりそうな予感がします。私はこれらの経営者は共通して、効率化、収益機会の拡大などを念頭に置きながらも、お客様をはじめ従業員の満足度を高めることを重視していると感じています。弊社ではスペシャリスト・インタビューで、現場で活躍する皆様をご紹介していますが、来年は「人」のもつ力を最大限に発揮できる機会になることと考えております。サービスをするのも人であれば、それを良いと感じるのも人です。旅行業では改めて、現場で働く人たちの活躍がカギになることと念じております。(鈴木次郎)
▽アクセスランキング・記事ランキング(2008年1月7日〜12月26日)
第1位
◆アロハ航空、旅客便の運航を停止、3月31日最後、ユナイテッド航空など支援(2008/03/31)
第2位
◆日本航空、4月からゼロコミッションへ−旅行業界の勢力図への影響は必至(2008/10/15)
第3位
◆発券手数料ゼロ−リテール含め流通激変、JTBは手数料収受の厳格化を検討(2008/05/28)
第4位
◆香港エクスプレス、沖縄を皮切りに岡山、鹿児島、広島、名古屋を定期便運航へ(2008/02/25)
第5位
◆HIS、ATBを清算、店舗・顧客対応・従業員を継承−スケールメリットでも「利」(2008/11/25)
第6位
◆シンガポール航空、路線網再編で関空/バンコク線運休−「過度な価格競争に勝者なし」(2008/04/04)
第7位
◆ジェイティービー、次期社長に現・専務取締役の田川博己氏が内定(2008/04/24)
第8位
◆エア・アジア、来年に就航か、市場低迷は価格「高すぎ」−旅行会社も重視(2008/09/19)
第9位
◆世界一規模の航空会社にやりがい−統合へ向けて日本市場でも本格始動(2008/11/10)
第10位
◆デルタ航空とノースウエスト航空が合併、新名称は「デルタ航空」に(2008/04/15)
第11位
◆ゴーイングの営業停止でeチケ控え所持も搭乗拒否が発生、被害240名の見込み(2008/02/08)
第12位
◆ビィー・フリー、民事再生法申請−負債20億、基幹ソフト改修時の支障懸念も(2008/03/31)
第13位
◆HIS平林社長、ゼロコミッションの対応急ぐ−航空会社は旅行会社の存在意義の再考を(2008/07/10)
第14位
◆全日空、新IT運賃の導入を決定−日本航空は一部で調整、外航は様子見か(2008/10/23)
第15位
◆アトムツアーが営業を停止、発券済み航空券のリファンド防止に動く(2008/05/14)
第16位
◆茨城空港、LCCを積極誘致、対応ターミナルに設計変更−エア・アジアXから好感触(2008/05/09)
第17位
◆日系2社、燃油サーチャージ値下げ、欧州、北米、豪州など1万1000円減に(2008/11/18)
第18位
◆全日空、来年上期から発券手数料を廃止−「対等な取引関係」に理解(2008/11/19)
第19位
◆エキスプレス・トラベル、清算申請へ−08年3月期赤字で好転見通せず(2008/11/17)
第20位
◆<続報>スワンナプーム空港、29日18時まで閉鎖決定−他国経由の帰国者も(2008/11/28)
第21位
◆ヒットトラベル、6月26日付けで東京地裁に破産申立(2008/06/27)
第22位
◆コンチネンタル航空、ユナイテッド航空と総合的な協力へ−スターアライアンス加盟計画も表明(2008/06/20)
第23位
◆全日空、関空の減便を説明−旅行会社は「ウェディングが伸び、売れていた」(2008/07/30)
第24位
◆全日空、10月以降の燃油サーチャージを一部値上げ−新路線区分と基準を適用(2008/08/19)
第25位
◆エア・パシフィック航空、日本路線の運航を停止−過去4年で19億円の損失(2008/11/04)
第26位
◆ジェットスター、成田線も旅行会社重視、QFと営業協力−東京支店長にAC中田氏(2008/07/15)
第27位
◆タイ国際航空、冬スケジュールから関空経由のロサンゼルス線を就航(2008/06/10)
第28位
◆全日空が1位、旅行会社は後退、100社中3社がランクイン−就職希望調査(2008/04/18)
第29位
◆ユナイテッド航空、7月から発券手数料3%に引き下げ−「ゼロ」時代が迫る(2008/05/07)
第30位
◆日本航空と全日空、バンコク発の臨時便運航を決定−29日から複数便の計画(2008/11/28)
第31位
◆新会社デルタ航空、統合効果でノースウエスト運休の成田/JFK線の復便視野(2008/04/16)
第32位
◆ゴーイング、2月1日付けで営業停止に(2008/02/06)
第33位
◆カンタス航空グループ、日本路線の座席数27%減−成田/ケアンズなどJQで代替(2008/06/06)
第34位
◆米国土安全保障省、日本含むビザ免除国に新制度導入へ−事前手続き必要に(2008/06/05)
第35位
◆ゲートウェイ21、本日にも東京地裁に破産申立を申請−海外での対応も懸念(2008/09/30)
第36位
◆新春トップインタビュー:エイチ・アイ・エス取締役会長 澤田秀雄氏(2008/01/10)
第37位
◆日本トラベル、破産手続開始決定−ANTAの認証申出開始、一部混乱が発覚(2008/09/26)
第38位
◆近畿日本鉄道、クラブツーリズム株式をファンドから取得−連結子会社化(2008/06/30)
第39位
◆燃油サーチャージ値上げ、旅行会社は「タイミングが悪い」と需要を懸念(2008/08/19)
第40位
◆デルタ航空、成田発着2路線就航、1路線増便−ニューヨーク線を復便(2008/11/14)
第41位
◆日本トラベル、9月9日付で閉業を通知−代理人調査の負債額は6000万円(2008/09/12)
第42位
◆全日空、燃油費込みの運賃表示へ−8月から順次、ツアーは09年4月開始(2008/07/31)
第43位
◆JTB、ジャルパックUSAなど買収、グローバル戦略の一環で海外発の取込み強化(2008/06/24)
第44位
◆ノースウエスト航空、10月1日から発券手数料を廃止−ゼロを旅行会社に通知(2008/05/27)
第45位
◆人事、JTBグループ会社役員、およびグループ会社個所長(2008/01/21)
第46位
◆大韓航空のLCC、2009年中に日本就航の可能性も−ブランド名はジンエアーに(2008/06/17)
第47位
◆日仏航空協議、欧の羽田乗入れ初合意−A380就航と関空増便も、AFは歓迎(2008/10/27)
第48位
◆スワンナプーム空港周辺のデモ、日本発バンコク便にも欠航、遅延など影響(2008/11/26)
第49位
◆トップインタビュー:エイチ・アイ・エス代表取締役社長 平林朗氏(2008/08/27)
第50位
◆トップインタビュー:トラベルズー代表取締役社長の武藤友木子氏(2008/10/29)
第51位
◆シンガポール航空、初就航のA380型機、荒天で中部にダイバート、日本発に遅れ(2008/05/20)
第52位
◆シンガポール航空、A380型機を5月20日から日本就航へ−成田便に投入(2008/03/13)
第53位
◆年頭所感−JTB、KNT、HIS、ジャルパック(2008/01/07)
第54位
◆ユナイテッド航空、来年4月1日から発券手数料を廃止−「変化のための準備」を(2008/07/07)
第55位
◆アリタリア航空、会社更生手続きへ−運航継続、日本線は現在、通常通り(2008/09/01)
第56位
◆ノースウエスト航空、ゼロコミッションにあわせコールセンターで手数料導入(2008/09/02)
第57位
◆全日空、新IT運賃に前向き−「徐々に進んでいる」(2008/07/16)
第58位
◆<続報>スワンナプーム空港、閉鎖は27日18時に延長−NH、JOが午前便欠航に(2008/11/27)
第59位
◆ノースウエスト航空、関西/デトロイト線を夏スケから運休へ−成田で乗継対応(2008/11/11)
第60位
◆エミレーツ航空、東京就航に自信、早期実現の希望をアピール(2008/09/22)
第61位
◆ゼロ・コミッションでインハウス業態の転機−企業情報扱う付加価値を強みに(2008/11/05)
第62位
◆エアライン満足度の総合1位はSQ、海外人気都市はウィーン−エイビーロード(2008/07/30)
第63位
◆燃油サーチャージは旅行代金の一部−国交省、通達案策定し総額表示推進へ(2008/06/13)
第64位
◆日通旅行事業部、旅行子会社を再編−NTSに統合、OTS、NNTは解散へ(2008/01/16)
第65位
◆ユナイテッド航空、台北線を運休、4月から全日空と共同運航へ(2008/01/25)
第66位
◆燃油サーチャージ、「高すぎる」「分かりにくい」−高額で行き先変更は35%(2008/08/21)
第67位
◆<続報>バンコク、日系2社の臨時便で約2400名が帰国−TG、SQも運航(2008/12/02)
第68位
◆HIS平林氏、「ビジネスモデルをゼロから見直し」−グローバル化基盤づくり(2008/03/03)
第69位
◆若者層の旅行活性化、「代金高すぎる」は「価格の価値が伝わっていない」ため(2008/10/22)
第70位
◆日本航空、国際線でアジア中心に22便増−運休は来上期分含め3路線21便(2008/08/07)
第71位
◆全日空、燃油サーチャージを値上げ−幼児は廃止も新IT運賃は継続検討(2008/05/19)
第72位
◆ノースウエスト・バーニアー支社長、現在の最善策を選択−手数料ゼロ導入で(2008/05/28)
第73位
◆日本航空、総額表示に「協力姿勢」−JTBは来年上期の導入に前進(2008/08/25)
第74位
◆ユナイテッド航空とコンチネンタル航空、DLとNWの統合を受け、声明を公表(2008/04/17)
第75位
◆オペレーターのエヌティエスインターナショナル、破産申し立てへ(2008/10/23)
第76位
◆JATA、サーチャージ値下げを航空局と日系2社に要望−1社は4月の見直し示唆(2008/11/20)
第77位
◆羽田/金浦線が定期便化、昼間12往復−関空/金浦線も実現−日韓航空協議(2008/08/18)
第78位
◆日本航空、大阪府に下期の関空線の増・減便を説明−近距離増便の活用策を(2008/07/25)
第79位
◆航空各社、6月からeチケット100%化へ−代理発券では対応分かれる(2008/05/30)
第80位
◆旅行各社で入社式−新社長訓示でHISは「挑戦」、KNTは「心」がキーワード(2008/04/02)
第81位
◆アロハ航空、運航停止の影響に業界からは懸念も−旅客部門の従業員解雇(2008/04/01)
第82位
◆国交省、燃油サーチャージの総額表示で通達を発出−約款改定が今後の焦点か(2008/07/01)
第83位
◆日本と香港の航空自由化、香港エクスプレスが那覇就航へ−鹿児島、岡山も検討(2008/02/04)
第84位
◆現地レポート、台湾−1泊2日ツアーの誕生で新市場創出に期待(2008/01/18)
第85位
◆アシアナ航空、関空/サイパン線に就航、関空/ソウル線を増便(2008/07/28)
第86位
◆国交相、羽田/欧米間の国際線を深夜便で容認へ−成田・羽田の一体運用で(2008/05/21)
第87位
◆旅行業倒産件数、7月は3件、宿泊業では負債総額10億円規模も(2008/08/18)
第88位
◆エキスプレス・トラベル、自己破産−JATA問合せは14日現在130名、2000万円(2008/11/18)
第89位
◆総額表示の対応に相違、各社の思惑様々−燃油サーチャージの急落で(2008/12/15)
第90位
◆海外に行かない理由は「不安感・負担感」、行きたい国は欧州など−国交省調査(2008/07/11)
第91位
◆タイ・デモ、TGは30日のプーケット便をバンコク着で対応−旅行会社は動向注視(2008/09/01)
第92位
◆観光庁、ゲートウェイ21倒産で関係者と連絡会議−説明会で新たな問題点も(2008/10/06)
第93位
◆主要旅行会社、6月の海外旅行は3.0%減−業務渡航、クルーズの伸びが顕著(2008/08/08)
第94位
◆アメリカン航空、UAに追随−1割ほどの影響も対応検討、次はGDS/CRSコストが焦点(2008/05/13)
第95位
◆JTB田川社長、次期中期経営計画は「新しいJTBのスタート」−将来左右する礎(2008/10/17)
第96位
◆JTB-BTS、ニッテツトラベルを吸収合併へ−4月からJTB-BTSに一本化(2008/01/31)
第97位
◆JTB、ウェブ事業の統括セクション設置−10月1日付で人事異動(2008/09/29)
第98位
◆ジェットスター、関空/ブリスベン線をゴールドコースト行きに変更−10月から(2008/05/21)
第99位
◆ビザまめ知識(4)−ビザ申請却下の事例と注意(その2)(2008/01/17)
第100位
◆エア・パシフィック航空、完全撤退でデスティネーションとしての地位に危惧(2008/11/05)