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ミシュラン観光ガイドブックで見る日本(ジャポン)2−「現代建築」

  • 2008年12月2日
 日本を訪れる外国人旅行者にとって、京都や奈良の寺社は必見の観光地だろう。1000年以上前に建てられた木造建築が現存する町並みは、日本を代表する観光地であることは間違いない。同様に世界遺産にも登録されている日光東照宮や宮島・厳島神社なども3ツ星スポットにセレクトされているのは納得できる。その一方で、同じ3ツ星に、現代的な建築物建築が選ばれているのは興味深いところ。フランス人の芸術的なバランス感覚の表れなのだろう。



■東京都庁
日本を代表する建築家で、東京オリンピック国立室内総合競技場(代々木体育館)に携わったことでも知られる丹下健三氏による設計。1991年竣工。現在は東京国際フォーラムに変わっているが、丸の内にあった旧都庁の一部は彼の建築。ミシュランの観光ガイドブックでは「1923年の関東大震災を教訓に、耐震性の強化をそのコンセプトとした」と、新宿の高層ビル街のシンボル的存在を表現している。2つの塔の最上階にあたる45階が無料で開放されており、エレベータを利用して55秒と1分もかからずに上がることができる。



■メゾンエルメス
パリのポンピドゥーセンターを手掛けた、世界的に知られるイタリア人建築家のレンゾ・ピアノ氏による設計。2005年竣工。外壁はガラスのレンガで覆われている。採光のためのデザイン。夜になるとイルミネーションが点灯し、巨大なランプのようにも見える。ミシュランの観光ガイドブックには「その建築スタイルに注目」とある。場所は銀座四丁目。



■ミキモトギンザ2
個人宅から公共建築物まで、幅広い設計を手掛ける伊藤豊雄氏の設計で、2005年に竣工。場所は銀座二丁目。ミシュランの観光ガイドブックには、「薄いバラ色をした壁の表面には、技巧を凝らした窓が不規則についていて、まるで水泡がのぼっていくようだ」とある。入口のドアには宝石が施されている。公式サイトによると、そのコンセプトは「真珠を育む貝から生まれる泡、舞い落ちる花びら、宝石箱を覗きこみたくなるような期待感、神秘性」とのこと。



■プラダ・ブティック青山
スイス人建築家のユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンの設計で2003年築。北京オリンピックのメインスタジアムである「鳥の巣」を設計したことで知られている。東京を代表する最先端ショッピングスポット、青山通り沿いにある。ミシュランの観光ガイドブックは「6階建てのビルは、凸型で青緑色のひし形に作られた窓に覆われている」と伝え、特に夜に訪れると店内のライトアップが外に漏れ、幻想的な雰囲気がただよう。このため「ショッピングだけでなく、建築学的に建物も見る価値がある」と説明、その建物の希少性を述べている。



■東京国際フォーラム・ガラス棟
全体はアーモンド型で、建物内部から天井を見上げると、2本の巨大な支柱が支える船底のように見える。このユニークな建物の建設は、国際的なコンペで選ばれたもの。設計を担当したのはウルグアイ生まれのアメリカ人ラファエル・ヴィニオリ氏。竣工は1996年。東京国際フォーラム自体は、ミシュランの観光ガイドブックの評価は2つ星だが、このガラス棟のみ3ツ星となっている。


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※編集部からお詫び
東京都庁、プラダ・ブティック青山について、表現の一部を加筆、修正しています。関係者にはご迷惑をおかけいたしました。(編集部/12月8日、19時)