NW・CEO、統合で日本支社は大きく変更せず−手数料は12月以降の検討か

  • 2008年10月2日
 ノースウエスト航空(NW)社長兼最高経営責任者のダグラス・スティーンランド氏が来日、デルタ航空(DL)との統合の進捗について語った。合併については「かつて1バレル65米ドルから70米ドルの燃油費が、今年7月の147米ドル、現在は100米ドルのように高騰する中では必須」と今年4月の合併発表の記者会見と同じ趣旨を説明。既に大西洋路線については規制当局からの承認を得ており、順調に統合に向けて準備を進めている。

 ただし、原油高の環境は続いているが、スティーンランド氏は「1バレル100米ドルであれば、利益を出せる」とコメントし、今年第3四半期の予想として税引き前利益は6000万ドル(約63億円)から1億米ドル(約105億円)は確保できるとの見込みだ。金融市場の混乱についても「影響は懸念しており、注視していく」と語り、第4四半期にはアメリカ国内線で9%の供給座席数の減少を計画し、原油高や旅客需要の低迷に対処していく考えだ。

 合併準備は、現在のところ26チームが航空事業について個別に検討、計画を策定している。統合により、年間20億米ドルの相乗効果が生まれると想定しており、IT関連や調達、手数料削減によるコスト削減、規模の拡大によるビジネス旅客を中心とした需要の取り込みによる収益拡大を想定している。日本支社については、NWとDLの路線網の違いから「NWはアジアで歴史が長く、強力なセールス、マーケティングがある。今後も、NWを活かしつつ大きくは変化しない」とスティーンランド氏は見通しを述べる。また、4月の合併発表の記者会見と同様に、「正式ではないが、成田/ニューヨーク線は考えられる」と改めてコメントし、以前から言及している運休した成田/ニューヨーク線の復便に強い意欲をあらわした。特に、現在のDLはニューヨークJFK空港をハブ空港のひとつとしており、同路線は近い将来に実現する可能性が高いと考えられる。

 また、10月1日からNWはゼロ、DLは3%とした旅行会社へのコミッション対応も焦点のひとつ。スティーンランド氏は「コミッションについては、両社で話していない」と、規制当局のしばりがあることを示唆しつつ、「統合が正式に決定した後、統合チームで話し合いを持つ課題だ」とコメント。統合が正式に当局から承認される12月ごろをめどに話し合いが始まるとの考えを示した。


▽羽田空港の国際化−「さらなる開放を注視も、国際線は成田を」

 羽田空港の国際化については、「日系航空会社が羽田からアメリカに飛ぶならば」という条件付きで「さらに(スロットの)開放をのぞむ」と、現在の運用ルールを見守っていく姿勢だ。ただし、羽田については、発着枠だけでなく、搭乗ゲート、チェックインなど各種インフラ面についても「競争力があるか検討したい」としている。



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