高額旅行市場は前年増で推移、上期のJTBロイヤルロードの人数は10%増

  • 2008年8月20日
 上半期の日本人出国者数は、前年比4.8%減の793万9000人と減少しているが、有望な市場がある。その一つが高額旅行だ。4月から9月の上期の動向は、各ホールセーラーが発表する上期の販売見込みを見ると、ジェイティービーのルックJTBが3%減の66万5000人、ジャルパックのアイルとアヴァあわせて20%減の17万人など、苦しい状況が続いている。燃油サーチャージの高騰や景気減速への懸念の影響といわれ、旅行業界は厳しい環境にあるが、この状況のなかで、富裕層を対象とした高額旅行は、数を伸ばしているようだ。

 例えば、JTBロイヤルロード銀座(RRG)の上期の実績は、実数は公表しないが、人数ベースで10%増で推移している。コース数も5%増と拡充しているが、それを上回るペースだ。売れている商品はRRGが販売するブランドのなかでも「フライ&クルーズ」が20%増、「夢の休日」が30%増と、高額の商品の方が売れているという。7月にRRGが発表した動向によると、RRGのクルーズ販売は7月1日時点で1500名と2007年度の1491名をすでに上回った。「夢の休日」についても7月15日現在で221名で、07年度の284名にせまる取り扱いとなっている。

 また、クラブツーリズムの丸の内倶楽部でも、ビジネスクラス利用のコースは昨年並みで健闘しており、例えば日本航空(JL)で行くロシアのツアーは前年比50%増、催行率は100%だという。ただし、ビジネスクラスはレジャー向けの座席供給量が減少しており、伸び率の勢いほど今後の販売拡大が期待できない可能性もあるだろう。

 しかし、需要が縮小する現在にあって、成長する確実な市場である。パイは少ないかもしれないが、JTBが先ごろ、RRGの手配旅行「ロイヤルロード」を全国展開する決定をしたことからも、ビジネスとして十分取り組むべき市場であるといえるだろう。


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