キャセイパシフィック航空、上半期は赤字転落、運賃上昇は不可避も撤退なし

  • 2008年8月8日
 キャセイパシフィック航空(CX)の2008年12月期の中間決算(2008年1月〜6月)は、最終損益が6億6300万香港ドル(約92億8900万円)の赤字となった。前年同期は25億8100万香港ドル(約361億6100万円)の黒字で、燃油価格の高騰により大幅に業績が悪化した。CXグループの総売上高は、貨物部門での収入増により前年比22.6%増の424億4800万香港ドル(約5947億1800万円)となったが、営業費用が35.4%増の425億8400万香港ドル(約5966億2300万円)となった。営業費用のうち、燃油費は83%増の193億700万香港ドル(約2705億4300万円)となり、費用全体に占める割合は11.7ポイント増の45.3%となった。

 期間中の総旅客数は13.7%増の1246万3000人で、ロードファクターは1.9ポイント増の80.0%、イールドも4.1%増となるなど好調。しかし、燃油サーチャージの上昇率が燃油価格の上昇率よりも低いため、収益性が悪化した。CXでは、品質やブランドの妥協を伴わないコスト削減には限界があり、今後の旅客運賃の上昇は避けられない状況、としている。ただし、運航便数の調整は必要としつつ、就航都市からの撤退は現時点で検討していないという。

 なお、北アジア方面の輸送実績としては、有効座席キロ(ASK)が2.4%増、ロードファクターは4.9ポイント増の73.3%、イールドは4.4ポイント増となった。