問 マルタの公用語に含まれていないのは次のどれか
A マルタ語
B イタリア語
C ギリシャ語
D 英語
――正解は最下行へ
ココに注目!
▽公用語に英語、通貨もユーロで旅行しやすく

マルタの公用語はマルタ語のほか英語、イタリア語で、旅行に便利。地中海で珍しく英語が入っているのは1974年にイギリス軍が撤退するまで、植民地であったため。ほぼ100%のマルタ人が英語を話し、日本でも語学留学の穴場として人気が高まっている。また、マルタ語は植民地時代の長かったアラビア語の影響を受けているといわれている。通貨の面でも2008年1月、ユーロを導入し、旅行が便利になった。
マルタ島、ゴゾ島、コミノ島からなるマルタは「地中海のへそ」と称されるとおり、地中海の真ん中に位置する。イタリアのシチリア島からアクセスしやすく、周辺国との周遊旅行もしやすい。地理的好条件は古い時代も同じことで、マルタは太古の昔からイタリアやフランス、スペインなどのヨーロッパ地域やリビア、チュニジア、エジプトなどアフリカ大陸の国々などのさまざまな民族が行き交い、文明の交差路となっていた。そんなマルタを特長付けたのは、16世紀にやってきた聖ヨハネ騎士団によるところが多い。
▽世界遺産の首都・ヴァレッタ

マルタマルタに渡った騎士団は城塞と教会、宿舎などを整えるとともに、ヨーロッパの文化や最新技術をもたらした。さらにマルタを襲来したオスマントルコ軍を撃退することにも成功。一方で、新しい強固な城塞都市をめざし、イタリアから技術者を招き、計画城塞都市・ヴァレッタを作り上げた。「マルタストーン」と呼ばれるハチミツ色の石灰岩を用い、海岸線には高い城壁、半島の付け根には深い堀と城壁をめぐらし、その街中は碁盤の目のような整然とした区画で、都市そのものが美しい景観を保っている。都市には国家機能も備わっており、「紳士により紳士のために作られた街」との異名もあるほど。これぞ世界遺産都市という姿を見せてくれる。
▽街を彩る建築物

莫大な富を費やして建てられた騎士団長の宮殿や大聖堂、劇場などバロック円熟期のイタリアの影響を受けた建物が並ぶ。その内部も機能的でありながら重厚な装飾がほどこされ、多くの観光客を魅了している。特に有名なのが、聖ヨハネ大聖堂。一見、普通の教会のようだが、内部はまさに絢爛豪華という装飾語がぴったり。絵画やタペストリーなどの芸術作品のほか、騎士たちの墓碑銘ともなっている、色鮮やかな大理石の床や柱も注目だ。
▽マルタと芸術作品
マルタの世界的な芸術作品といえば、カラヴァッジョ。イタリアで殺人事件を起こしたカラヴァッジョはマルタ島へ逃げ、騎士団に迎えられた。その恩に報いるために騎士団の守護聖人にちなんだ祭壇画を制作していたという。特に有名なのは聖ヨハネ大聖堂美術館に所蔵されている「聖ヨハネの斬首」。カラヴァッジョ最高傑作と評されており、これをみるためにマルタを訪れる人もいるほど。このほか、マルタでは、マティオ・プレッティによる「聖ヨハネ大聖堂の天井画」も、芸術作品として有名だ。
正解 C