人材育成、学校は企業ニーズくんだカリキュラムを−業界の積極性にも要望

  • 2008年3月17日
 国土交通省は3月14日、「第3回観光関係人材育成のための産学官連携検討会議」の一環として、分科会「産業界が望む観光関係大学のためのカリキュラムのあり方」を開催した。業界からは、日本旅行業協会(JATA)事務局長の奥山隆哉氏や旅行会社、航空会社などの担当者が出席、北海道大学など観光関係学部をもつ大学、国土交通省、経済産業省などと議論を交わした。

 議論は、観光業界側が望む「質の高い学生」を大学側がいかに育てるか、という視点で、特に13日に実施した、セントラルフロリダ大学でホスピタリティ経営学部観光学科准教授の原忠之氏による講演を前提に進められた。結論は得られなかったものの、自立的な創造性や、「IT」、「グローバル」、「ファイナンス」などのキーワードで業界側から要望が出され、学校側から学校毎に育成するタイプを明確化し、様々な職種、立場で異なる要望に応えるなどの意見が出された。また、今回の連携検討会議のもとに「教育内容に関するワーキンググループ」を設置する方針も示された。

 ただ、会議中に発言した学校関係者が9名であった一方、観光業界関係者は4名。学校側が業界のニーズ把握への試行錯誤を示すなかで、業界からの要望はあまり聞かれず、会場からは「離職率の高さという問題もあり、観光業界が危機感を持って積極的に取り組むべきだ」という厳しい声も聞かれた。


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